Photo Gallery  OKADA MITSUHIRO

季節の山野草」 連載100回完結

45期 岡田光弘さん

[ブログプロフィール]
中学・高校・大学と自然科学を専攻していましたが、職業は営業職を選択し、
2012年2月初旬をもって定年退職しました。

仕事の合間に、山野草など自然観察を続けてきましたが、本格的に再開したいと思っています。
そこで、ブログを始めることにし、自然観察を毎日書き込むことにしました。
「しろうと自然科学者」で、お付き合いいただきますので、よろしく
お願いします。(2012年)

[ブログアドレス]
・「しろうと自然科学者-楽天ブログ(Blog)」で検索。

または、http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952 よろしくおねがいします。




<連載100回完結にあたって>

「2012年2月から8年数カ月、100回にわたって
ホームページで紹介して下さりありがとうございました。
このような記事を通して、季節の変化、自然の豊かさや大切さについて
関心を持ったり理解を深めてくれる方が増えることを期待しています。
100回目の最終回は、ふるさとの思い出深い植物を紹介しました。
新型コロナウィルスができるだけ早く終息し、
エゾノリュウキンカの花言葉のように
「必ず来る幸福」が実現することを願わずにはいられません。」

2020年 令和2年5月 岡田光弘





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※掲載されている写真は岡田光弘さんの著作物です。著作権者の同意無しの複製転載を禁じます。  






季節の山野草
Vol.100 最終回   2020年 5月 

「季節の山野草5月」(最終回)です。ふるさとの北海道で4月末から5月に黄金色の花が咲くエゾノリュウキンカです。
 別名の「ヤチブキ」の名や、おひたしなどで食べた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
1.
エゾノリュウキンカは、北海道から本州北部の小川沿いの水辺や湿地に生える
キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草です。リュウキンカの変種ですが、
リュウキンカよりも大型で、茎は直立し分枝して、高さ50〜80センチになります。




2. 
エゾノリュウキンカの花期は4〜5月で、茎頂や上部の葉腋に4〜8個の花をつけます。


3. 
エゾノリュウキンカの花は、直径約3.5センチ、花びらのように見えるのは萼片で、
ふつう5枚ですが、ときに6〜7枚です。


4.
エゾノリュウキンカ(蝦夷立金花)の名は、エゾ(蝦夷、北海道)に生えるリュウキンカ(立金花)です。
リュウキンカ(立金花)の名は、花茎が直立しており、黄金色の花をつけることに由来します。
葉の形がフキに似ているので、「ヤチブキ」と呼ばれ、おひたしなど食用になります。


5.
エゾノリュウキンカの花言葉は、リュウキンカと共通の「必ず来る幸福」だそうです。
大型で黄金色のたくさんの花が咲いている様子を見ると、「必ず来る幸福」の花言葉に共感できます。


<編集部より>

2012年2月から始まったシリーズ「季節の山野草」は2020年5月にめでたく連載100回目を迎えました。
「季節の山野草」は当HP唯一の毎月連載記事として掲載足掛け8年4ヶ月、毎回岡田さんの綺麗な写真と造詣深い
キャプションを楽しまれた方も多いと思います。100回をひと区切りとしてこのシリーズを完結するにあたり
岡田光弘さんに心よりお礼を申し上げます。

筆者である45期岡田光弘さんは中学高校大学で自然科学を専攻。北斗時代は生物部に所属。社会人になってからも
仕事の傍ら動植物の観察を続けてこられました。ご自身「しろうと自然科学者」と謙遜されていますが、ブログを
拝見すると知識の深さと写真の腕前には驚かされます。しかも毎日更新継続されていますので質量ともに本格的な
大動植物図鑑になっています。みなさん是非ご覧になってください。
http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952









季節の山野草
Vol.99   2020年 4月 

 「季節の山野草4月」です。3月から4月に咲くミツマタの花です。
1.
3月から4月にかけてミツマタの黄色い花が目立つようになります。園芸植物として、庭や公園に植えられています。




2. 
ミツマタは、中国南部からヒマラヤに自生するジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木です。
高さ2メートルほどになります。よく分枝して、半球形の樹形をつくります。


3. 
ミツマタの花は、秋に葉腋に蕾をつけ、枝先の1センチ前後の花柄の先の頭状花序に小さな花が30〜50個つきます。


4.
ミツマタ(三叉、三椏)の名は、枝が3つに分枝することから名づけられました。


5.
ミツマタの花言葉は、「強靭」「壮健」「永遠の愛」「肉親の絆」「意外な思い」「淡白」などです。
調べてみると、樹皮に強靭な繊維を持ち虫食いにも強いという特徴から「強靭」「壮健」という花言葉が生まれ、
そこから願いをこめて「永遠の愛」「肉親の絆」といった言葉も生まれたと思われますという説明がありました。











季節の山野草
Vol.98   2020年 3月 

 「季節の山野草3月」です。3月に淡いピンク色の花を咲かせるウグイスカグラです。
1.
3月に入ると、ウグイスカグラの淡いピンク色の花を見かけます。




2. 
ウグイスカグラは、北海道・本州・四国の山野に自生するスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木です。


3. 
ウグイスカグラの淡いピンク色の花冠は、毛や腺毛がなく先が5つに分かれ、花冠の付け根に
緑色の子房が見えます。これが6月には赤く熟して実になり、食べられます。


4.
ウグイスカグラ(鶯神楽)の名前の由来は、諸説あります。
ウグイス(鶯)については、ウグイスが鳴くころに花が咲くことに由来するという説があります。
カグラ(神楽)については、木の実をついばむ鶯が小枝の上下左右に飛び移る様子を神楽の舞に
喩えたものという説、枝が茂ってウグイスが隠れるような藪になることから古名のウグイスガクレ
(鶯隠れ)が変化したという説があります。


5.
ウグイスカグラの花言葉は、「明日への希望」「未来を見つめる」です。
「明日への希望」「未来を見つめる」は、まだ朝晩が冷え込む早春の3月に花を咲かせて
6月に楕円形の赤い実をつけることから連想したのではないかという記事がありました。










季節の山野草
Vol.97   2020年 2月 

 「季節の山野草2月」です。1年中群れを作って行動するムクドリです。
1.
ムクドリは、東アジアに分布するムクドリ科ムクドリ属の野鳥です。
日本では、ほぼ全域に分布する留鳥ですが、北部に生息するものは冬に南部に移動します。




2. 
ムクドリは、もともとは農作物に害を及ぼす虫を食べる益鳥でしたが、
都市部で夕暮れ時に電線や街路樹などに大群で集まり騒がしく鳴き声をたてて、
鳴き声による騒音や糞害が問題になっています。


3. 
ムクドリは、翼と胸・頸は茶褐色で、頸から頭部にかけてと腰に白い部分があり、嘴と足は黄色です。


4.
ムクドリは雑食で、植物の種子や果物、ミミズや虫の幼虫などを好んで食べます。


5.
ムクドリ(椋鳥)の名は、「群木鳥・群来鳥(ムレキドリ)」から転じたという説と、
椋木(ムクノキ)の実を食べることに由来するという説があります。












季節の山野草
Vol.96   2020年 1月 

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

「季節の山野草1月」です。冬の時期にだけ見かける野鳥ツグミです。
1.
毎年冬の間だけ、ツグミがやってきます。ツグミは、ツグミ科ツグミ属の野鳥で、
夏季にシベリアで繁殖し、日本には越冬のために冬鳥として渡ってきます。




2. 
ツグミは、10月頃シベリアから大群で渡ってきますが、日本に着くと群れを解いて、
田畑や低山の林に散らばって生息します。そのせいか、庭先では、いつも1羽しか見かけません。



3. 
ツグミの食性は雑食で、昆虫、果実などを食べます。



4.
ツグミは、3月中旬ごろになると、再び群れて北へ帰ります。


5.
ツグミ(鶫)の名は、冬に飛来して聞こえていた鳴き声が、夏になると聞こえなくなる
(口を噤んでいると考えられた)ことに由来するという説があります。
また、関東地方の方言で「しゃがむこと」を「つぐむ」といい、それに由来するという説もあります。












季節の山野草
Vol.95  2019年 12月 

「季節の山野草12月」です。12月になると見かけるマガモです。
1.
マガモは、北海道と山地で繁殖しますが、多くは冬鳥として渡来し、全国で越冬します。
越冬中につがいを作り、春には繁殖地へ渡っていきます。




2. 
私のウォーキングコース(玉川上水)では、マガモは12月初旬にやってきて3月には見かけなくなります。



3. 
マガモのオスは、黄色い嘴、緑色の頭、白い首輪、灰黒色の胴体という鮮やかな色です。



4.
マガモのメスは、黒褐色に黄褐色の縁取りの羽で、目立たない色です。


5.
マガモは植物食が主体の雑食です。水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べます。
マガモは、水面を上手に泳いで移動しますが、水中に潜ることができないので、
逆立ちになって頭を水中に突っ込んで水草などを食べているのをよく見かけます。


6.
マガモ(真鴨)の名は、カモを代表する鳥から、マ(真)鴨、カモの中のカモの意だそうです。

























季節の山野草
Vol.94   2019年 11月 

「季節の山野草11月」です。樹木の葉がない冬の時期に目立つ野鳥のヤマガラです。
1.
ヤマガラは、標高1,500メートル以下の常緑または落葉広葉樹林に生息する
シジュウカラ科シジュウカラ属の野鳥です。標高1,000メートル以上に生息
しているものは、冬期に標高の低い場所へ移動します。




2. 
ヤマガラの頭部は黒く、額から頬や後頭部(一部縦長)は白く、背中や下面は茶褐色、羽は青みがかった灰色です。



3. 
ヤマガラは、エゴノキの丸い実を嘴で取ると、両足の間にはさみ嘴でえぐい果皮を取り除き、
種子の堅い殻(種皮)を突いて壊し、中の柔らかな胚乳を食べます。また、ヤマガラは、エゴノキの実を
一旦地中に埋めてから食べるので、その種子から芽を出すものがあり貯蔵型散布種子といわれます。



4.
ヤマガラ(山雀)の名は、山に生息することに由来し、カラはシジュウカラなどと同じく鳥類を表します。


5.
ヤマガラの食性は雑食で、昆虫、クモ、果実などを食べます。おもに樹上で採食し、
夏季は主に動物質を食べ、冬期は主に果実を食べます。


6.
ヤマガラは学習能力が高く、芸を仕込むことができ、30年前まではおみくじを引かせる芸を
神社の境内などで見られました。
YOUTUBEで「ヤマガラの芸—その4おみくじ芸」を見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=nYDa9gK7TGQ
























季節の山野草
Vol.93   2019年 10月 

「季節の山野草10月」です。10月から11月初めに見かけるフユノハナワラビです。
1.
フユノハナワラビは、本州から九州の山野に生えるハナヤスリ科ハナワラビ属のシダ植物です。




2. 
フユノハナワラビは、晩夏に葉を出し翌年の初夏近くに葉が枯れてしまう冬緑性のシダ植物です。



3. 
フユノハナワラビの胞子葉は栄養葉より長く、2〜3回羽状に分岐し、丸い胞子嚢をつけます。
シダ植物の多くは葉の裏に胞子嚢をつけますが、フユノハナワラビなどが独自の胞子葉をもつ
ということは、シダ植物が花を咲かせる種子植物に進化していく過程とも考えられるそうです。




4.
フユノハナワラビ(冬の花蕨)の名は、冬に葉があり、花のような胞子葉をつけるワラビに似たシダ植物の意味です。


5.
フユノハナワラビの花言葉は、「再出発」です。「再出発」とは、初夏近くに葉が枯れてしまい、
その後、晩夏に葉を出して成長することを「再出発」と例えたことに由来するのでしょうか。













季節の山野草
Vol.92   2019年 9月 

「季節の山野草9月」です。 9月から10月に咲くシモバシラの花です。
1.
シモバシラは、本州(関東地方以西)から九州の山地の木陰に生えるシソ科シモバシラ属の多年草です。
学名はKeiskea japonicaで、属名の「Keiskea」は幕末から明治時代の植物学者伊藤圭介の名にちなみ、
種小名の「japonica」日本の固有種であることからつけられています。




2. 
シモバシラの花穂は、水平に伸びている茎の対生する葉の葉腋から真上に伸び、
花序が立ち上がった姿に見えます。



3. 
シモバシラの花は上下2つに分かれている白い唇形花で、よく見ると上唇が2つに分かれ下唇が3つに
分かれているのがわかります。雄蕊は4本、先端が2つに分かれた雌蕊が突き出ているのが見えます。




4.
シモバシラの茎は冬には枯れてしまいますが、枯れた茎の導管に水が吸い上げられ、
外気温が氷点下になると導管内の水が凍って霜柱ができます。シモバシラ(霜柱)の名は、
この現象に由来します。別名は、ユキヨセソウ(雪寄草)です。


5.
シモバシラの花言葉は、「健気」だそうです。「健気」とは、しっかりしていること、勇ましいことですが、
真冬の寒さの中で枯れた茎の根元に美しい氷の結晶の霜柱を作っている様子から付けられたのでしょうか。












季節の山野草
Vol.91   2019年 8月 

「季節の山野草8月」です。7月下旬から9月頃まで咲くナツズイセンの花です。
1.
ナツズイセンは、本州・四国・九州の山野に生えるヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
山野に自生すると言われていますが、人家の近くにしか見られないので、古くに中国から
渡来したものが野生化したのではないかといわれています。観賞用に栽培されています。





2. 
ナツズイセンは、早春に長さ20~30センチ、幅18~25ミリの葉を伸ばしますが、
初夏には枯れてしまいます。8月から9月に、鱗茎から高さ50~70センチの花茎を伸ばし、
数個の淡紅紫色の花を咲かせます。



3. 
ナツズイセンの花のつくりは、花被片が6枚(萼片由来の外花被片3枚、
本来の花びらの内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。
花びらと萼が形態的に類似、あるいはほとんど区別できない場合に、
それらをまとめて花被片といいます。




4.
ナツズイセン(夏水仙)の名は、花が夏に咲き、葉や球根(鱗茎)が水仙に似ていることから 名づけられました。
ナツズイセンの別名は、花期に葉がないことからハダカユリ(裸百合)とも呼ばれます。


5.
ナツズイセンの花言葉は、「深い思いやり」「あなたのために何でもします」
「快い楽しさ」「楽しむ」「悲しい思い出」などです。







 







季節の山野草
Vol.90   2019年 7月 

「季節の山野草7月」です。6月~10月に道端で咲くワルナスビの花です。
1.
ワルナスビは、北アメリカ原産の帰化植物で、明治初期に日本に渡来し
北海道から沖縄までの日本全土に分布するナス科ナス属の多年草です。
明治初期に千葉県三里塚牧場に侵入し、オニナスビ、オニクサと呼ばれました。





2. 
ワルナスビは、夏に茎の途中から枝を出し、先端に淡紫色または白色の花を6~10個つけます。
ワルナスビの茎や葉の主脈、花柄には、たくさんの鋭い刺があります。



3. 
ワルナスビの花のつくりは、5枚の萼片、先端が浅く5つに分かれる白い花冠、
黄緑色の短い花糸に大きな黄色い葯が付いている5本の雄蕊、先端が緑色の雌蕊です。
薄紫色の花もあります。この株は、薄紫色の花と白い花が混在して咲いています。




4.
ワルナスビ(悪茄子)の名は、茎や葉に鋭い刺が多いうえ、垂直および水平に広がる地下茎や種子でよく繁殖し、
除草剤も効きにくく、一度生えると駆除しにくいという始末の悪さから名づけられました。
ワルナスビの命名は、千葉県で発見した牧野富太郎博士によるものです。


5.
ワルナスビの花言葉は、「欺瞞」「悪戯」です。「欺瞞」はナスやジャガイモに似た花を咲かせ
黄色いトマトに似た毒のある実をつけることから、「悪戯」は優しい色のかわいい花なのに葉柄や
葉脈や茎に鋭いトゲが持つことからつけられました。











季節の山野草
Vol.89   2019年 6月 

「季節の山野草6月」です。6月に咲くオオマツヨイグサの花です。
1.
オオマツヨイグサは、北アメリカ原産の帰化植物で、世界の温帯地域で観賞用に栽培されたものが
野生化したアカバナ科マツヨイグサ属の越年草です。日本には、明治初年に渡来し、各地で野生化
しています。越年草とは、秋に発芽して越冬し、翌年に花が咲いて枯れる二年生植物のことです。





2. 
オオマツヨイグサの花は、夕方から咲き始め、朝になると萎んでしまいます。



3. 
オオマツヨイグサの花は、名前に「オオ」がつく通り直径が4~6センチの大きな花です。
オオマツヨイグサの花のつくりは、花びら4枚、雄蕊8本、雌蕊の柱頭は4つに分かれています。




4.
オオマツヨイグサ(大待宵草)の名は、マツヨイグサの仲間で大きな花が咲くことから。
「待宵草」は、宵を待って花が咲くことから。


5.
オオマツヨイグサの花言葉は、「人の好さ」だそうです。由来は、わかりませんでした。











季節の山野草
Vol.88   2019年 5月 その2 

「季節の山野草5月 その2」です。4月末から5月に見かけるヤマブキソウの花です。
1.
ヤマブキソウは、本州・四国・九州に分布し、山野の木陰の比較的明るいところに生える
ケシ科ヤマブキソウ属の多年草です。





2. 
ヤマブキソウは群生することが多いのですが、八王子市の高尾山で見かけた目を見張るような
大群落の光景に感動しました。



3. 
ヤマブキソウの花は、黄色い4弁花です。多数の雄蕊があり、雌蕊の柱頭は2つに分かれています。




4.
ヤマブキソウ(山吹草)の名は、花がバラ科のヤマブキ(山吹)に似ていることから名づけられました。
ヤマブキソウの花は4弁花で、バラ科のヤマブキは5弁花です。


5.
ヤマブキソウの花言葉は、「すがすがしい明るさ」だそうです。「すがすがしい明るさ」は、
ヤマブキソウに初めて出合った時に感じた気持ちにピッタリの花言葉です。










季節の山野草
Vol.87   2019年 5月 その1 

「季節の山野草5月 その1」です。4月から5月にかけて咲くセリバヒエンソウの花です。
1.
セリバヒエンソウは、中国原産で明治時代に渡来し小石川植物園から逸出したキンポウゲ科ヒエンソウ属の
帰化植物です。東京を中心に分布し、神奈川県や埼玉県でも観察されています。





2. 
外側の花弁のように見えるのが5枚の萼片で、上部の萼片に長さ10ミリほどの距があり後ろに伸びています。



3. 
花の後に3つに分かれた袋状の実ができ、熟すと中にある黒い種子を弾き飛ばして広がっていきます。




4.
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)の名は、葉が羽状に切れ込んで芹の葉に似ているヒエンソウ(飛燕草)です。
ヒエンソウ(飛燕草)の名は、花の形が燕の飛ぶ姿に似ていることから名づけられました。


5.
セリバヒエンソウの花言葉は、「華やかな雰囲気の」「軽薄」「陽気」などだそうです。
「華やかな雰囲気の」は、花の形から理解できる気がしました。



 

 






季節の山野草
Vol.86   2019年 3月

「季節の山野草3月」です。2月末から3月にいっせいに開花するコハコベの花です。
1.
畑や道ばたで白く小さな花を咲かせるコハコベは、ナデシコ科ハコベ属の越年草で、春を告げる野草の一つです。
一般的に「ハコベ」と言われるのは、このコハコベで、春の七草の一つです。
越年草とは、秋に発芽し越冬し翌年に花が咲いて枯れる二年生植物のことです。





2. 
コハコベの特徴は、茎の色が赤紫色、葉の色が濃緑色、茎が横に這っていることです。



3. 
コハコベは、上記の特徴とともに、花の中心に白い花柱が3本あること、雄蕊の数が3~5個などで、
他のハコベと区別できます。




4.
コハコベの花は、裏側に細い毛が見える5枚の萼、付け根近くまで深く裂けて10枚に見える5枚の花びら、
数本の雄蕊、3本の花柱がある雌蕊が観察できます。


5.
コハコベ(小繁縷)の名は、他のミドリハコベ・ウシハコベなどに比べて小さいことから。
ハコベの名は、万葉集に「波久倍良(ハクベラ)」の名で登場し、これがハコベラ、そしてハコベに
転訛したそうです。漢字の「繁縷」は漢名で、よく繁茂し茎の中に目立つ筋「縷(る)」があることから。









季節の山野草
Vol.85   2019年 2月

「季節の山野草2月」です。1年中見かけますが、樹木の葉がない冬の時期に目立つ野鳥のシジュウカラです。
1.
シジュウカラはシジュウカラ科シジュウカラ属の留鳥で、1年中見かける野鳥です。





2. 
シジュウカラは、上面は青みがかった灰色、下面は淡褐色の羽毛で覆われるとありましたが、
上面は黄色(緑色)みがかった灰色、下面は白い羽毛に見えます。頭頂は黒い羽毛で覆われ、
頬や後頸には白い斑紋があります。翼は灰黒色で、1本の白い筋模様が見えます。



3. 
シジュウカラは喉から尾羽基部まで黒い縦線があり、下面の黒い縦線が細いのがメスで、
下面の黒い縦線が太いのがオスです。こちらが下面の黒い縦線が細いメスです。




4.
こちらが下面の黒い縦線が太いオスです。


5.
シジュウカラ(四十雀)の名は、古くは「シジウカラ」と呼ばれ、地鳴きが「チ・チジュクジュク」
なので「シジウ」は鳴き声を表し、「カラ」はヤマガラなどと同じように鳥類を表します。また、
たくさん群れるからという説や、スズメ40羽に対してこの鳥1羽という交換条件から名づけられた
という説もあります。


6.
シジュウカラの食性は雑食で、果実、種子、昆虫やクモなどを食べ、地表でも樹上でも採食します。


 








季節の山野草
Vol.84   2019年 1月

「季節の山野草1月」です。冬に多く見かける野鳥のヒヨドリです。
1.
ヒヨドリは、北海道から九州に生息するヒヨドリ科ヒヨドリ属の留鳥または漂鳥です。
留鳥とは、年間を通して同じ場所に生息し季節による移動をしない鳥のことです。
漂鳥とは、寒さを避けるため、夏は山地、冬は平地と言うように繁殖地と越冬地を
区別して日本国内を季節移動する鳥のことです。





2. 
毎年冬にヒヨドリをたくさん見かけるのは、1年中見かける留鳥のヒヨドリとともに、
越冬のため南下してきたヒヨドリがいるからです。秋には、北海道から多数のヒヨドリが
本州・四国・九州へ渡ってきます。



3. 
ヒヨドリは、同じ時期に見かけるムクドリやツグミに比べると、ほっそりとした体型で
尾は長めです。嘴は黒くて先がとがり、頭部から胴体は灰色の羽毛に覆われていますが、
目の後ろの頬が褐色になっています。また、頭頂部の羽毛はやや長く、冠羽になっています。




4.
ヒヨドリ(鵯)の名は、鳴き声が「ヒィーヨヒィーヨ」と鳴くので、この鳴き声に由来
するという説があります。また、ヒエ(稗)を食べるので「稗鳥(ヒエドリ)」が転じた
という説もありますが、ヒヨドリはヒエを食べないそうです。


5.
ヒヨドリは、果実や花の蜜を食べます。また、繁殖期には、昆虫類も多く捕食します。
ヒヨドリは、果実・木の実に加えて、ブロッコリー・キャベツ・コマツナなどの畑の
野菜も食べています。写真は、ブロッコリー畑にやってきて、収穫後のブロッコリー
の葉を食べるヒヨドリです。











季節の山野草
Vol.83   2018年 12月

「季節の山野草12月」です。12月になると、黄色い果皮と赤い種子のコントラストが美しいツルウメモドキを見かけます。
1.
ツルウメモドキは、北海道から沖縄の山野の林縁に生えるニシシギ科ツルウメモドキ属の落葉蔓性植物です。
ツルウメモドキは雌雄異株なので、このように実がなっているのは雌株です。





2. 
ほとんどの実が割れて赤い種子が見え、黄色い果皮と仮種皮に包まれた種子のコントラストが美しいツルウメモドキ
らしい姿になりました。実が美しいので、生け花などリースやインテリアの装飾用素材として使われます。



3. 
ツルウメモドキ(蔓梅擬)の名は、蔓性植物で葉の形がウメに似ていることに由来する説や、
蔓性植物で実の形がモチノキ科モチノキ属のウメモドキに似ているからという説があるそうです。



4. 
ツルウメモドキの花言葉は、「大器晩成」「真実」「開運」「強運」などだそうです。
「大器晩成」は晩春から初夏に花が咲いてから緑の実が黄色く熟して赤い仮種子に包まれた種子が
現れるまでの期間が長いことからつけられ、「開運」は希望や幸福のイメージを持つ黄色の果皮が
3つに裂けて真っ赤な仮種子がいきおいよく飛び出す姿をたとえたという解説がありました。


 

 

 






季節の山野草
Vol.82   2018年 11月

「季節の山野草11月」です。 11月になると、ムラサキシキブの紫色の実が目立つようになります。
1.
ムラサキシキブは、北海道から九州の山野に生える落葉低木です。
ムラサキシキブは、クマツヅラ科ムラサキシキブ属とされていましたが、
ゲノム解析による新たなAPG分類体系ではシソ科ムラサキシキブ属に分類されています。





2. 
ムラサキシキブの実は球形の紫色の液果で、ヒヨドリ、シジュウカラ、ジョウビタキ、メジロなど、
野鳥にとっては冬の貴重な食糧になります。野鳥は、ムラサキシキブの種を拡散してくれます。



3. 
ムラサキシキブ(紫式部)の名は、もともと紫重実・紫敷き実(ムラサキシキミ、「シキミ」とは、
重る実=実がたくさんなるという意味)と呼ばれていたのが、平安時代の女性作家「紫式部」を
連想させるので、ムラサキシキブになったという説があるそうです。













季節の山野草
Vol.81   2018年 10月

「季節の山野草10月」です。10月に見かけるサラシナショウマの花です。
1.
サラシナショウマは、北海道から九州の山地の木陰や草原に生えるキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草です。





2. 
サラシナショウマは、長い総状花序をつけます。サラシナショウマ(晒菜升麻)の名は、
根茎を天日で干したものを生薬で「升麻」といい、サラシナ(晒菜)は若菜を茹でて
水に晒して山菜として食用にしたことに由来するそうです。



3. 
サラシナショウマの花言葉は、「愛嬌」「無邪気」「温かい心」「雰囲気の良い人」だそうです。
白い総状花序や白く小さな一つひとつの花を見ると、「雰囲気の良い人」の花言葉に共感できると思いました。












季節の山野草
Vol.80   2018年 9月

「季節の山野草9月」です。8月末から9月にかけて花を咲かせるナンバンギセルです。
1.
ナンバンギセルは、北海道から沖縄までの山野に自生するハマウツボ科ナンバンギセル属の1年生の寄生植物です。
日本ではふつうススキに寄生しますが、熱帯ではサトウキビやミョウガなどショウガ属の植物に寄生するそうです。





2. 
ナンバンギセルは、葉腋から15センチほどの花柄を数本伸ばし、花柄の先に1個の花をつけるそうです。
葉腋から花柄を伸ばすとありますが、茎や葉は見えません。ナンバンギセルの茎はごく短く、ほとんど
地上に出ないそうです。花柄の下を見ても、茎や葉は見あたりません。



3. 
ナンバンギセル(南蛮偽煙管)の名は、タバコが安土桃山時代に渡来し、その時に
南蛮人(スペイン人やポルトガル人)が使用していた陶器製のパイプに花の姿が似ていることから、
南蛮(スペインやポルトガルなど)のキセル(煙管)の名が与えられたそうです。




4.
ナンバンギセルの花言葉は、「物思い」です。 別名の「思い草」の由来と同じで、
花の姿が小首を傾げて物思いに耽っている姿に見えたようで、大いに共感できます。



 









季節の山野草
Vol.79   2018年 8月

「季節の山野草8月」です。8月中旬から一斉に花茎を伸ばして花を咲かせるツルボです。
1.
ツルボは、北海道西南部以南の日本全土の山野の日当たりの良いところに生える
ユリ科(APG分類体系ではキジカクシ科)ツルボ属の多年草です。





2. 
ツルボの花は、花茎の先端に総状花序をつけます。ツルボの花は、花穂の下から順に咲いていきます。



3. 
ツルボの一つひとつの花は小さな花ですが、百合の花などと同じで、花被片6枚、雄蕊6本、雌蕊1本です。




4.
ツルボ(蔓穂)の名は、球根の外皮をとると、つるりとした坊主頭に似ているので、
「ツルボウズ」からツルボになった説などがあるようです。調べてみると、
「ツルイイボ(蔓飯粒穂)」が略されてツルボになったという説がありました。
「ツル(蔓)」は長く連なることや長く伸びることを表す言葉、「イイ(飯粒)」は
飯粒(めしつぶ)で「イイボ(飯粒穂)」は飯粒状のものが花穂を作っていることだそうです。
ツルイイボ(蔓飯粒穂)がツルイボになり、そしてツルボ(蔓穂)になったという説です。


 








季節の山野草
Vol.78   2018年 7月

「季節の山野草7月」です。7月から9月頃まで咲いているヘクソカズラの花です。
1.
ヘクソカズラは、日本全土の日当たりの良い山野に自生するアカネ科ヘクソカズラ属の多年草です。
他のものにからみつきながら繁茂し、下から見ると反時計巻き(左巻き)に蔓を伸ばしているようです。





2. 
ヘクソカズラの花は、対生する葉の葉腋に集散花序を作って咲きます。



3. 
ヘクソカズラの花のつくりは、花冠は約1センチメートルで筒部は白く中央が紅紫色です。
花の中央が赤くお灸の跡に似ていることからヤイトバナ(灸花)という別名があり、さらに、
美しい花の姿からサオトメバナ(早乙女花)という別名もあるそうです。




4.
ヘクソカズラ(屁糞蔓)の名は、万葉のころからの呼び名で、葉や茎など全草に異臭があることから
「屁糞」蔓(蔓は「つる植物」のこと)となったとのこと。


 







季節の山野草
Vol.77   2018年 6月

「季節の山野草6月」です。ホオズキの花と、花が終わった後に筒状の萼が膨らんでホオズキの袋ができるまでです。
1.
ホオズキ(酸漿、鬼灯)は、ナス科ホオズキ属の多年草です。
ナス科らしい5角形の白い花が、6月から7月にかけて咲きます。





2. 
花を横から見てみました。先端が5つに分かれた萼が見えます。この萼が成長して、ホオズキの袋になります。



3. 
白い花(花冠)が落ちた後、萼の先端が閉じはじめるとともに、萼の付け根の部分が成長し膨らんできました。




4.
萼の付け根の部分が成長し大きく膨らんでおり、5つに分かれた萼の先端は、ほとんど閉じています。


5.
丸みをおびたホオズキの袋がほとんど出来上がりました。秋に熟すと、ホオズキの袋や中の果実が
オレンジ色や赤色になります。
ホオズキ(酸漿、鬼灯)の名は、その実の赤くふっくらした様子から頬を連想したもの(「づき」は
「顔つき」「目つき」の「つき」)という説や、果実を鳴らして遊ぶ子どもたちの様子から「頬突き」
の意であるという説もあるそうです。「酸漿」は、中国名です。


6.
ホオズキの袋の下に、5つに分かれた萼の先端が見えます。
筒状の萼が膨らんでホオズキの袋ができたことがわかります。


 








季節の山野草
Vol.76   2018年 5月

「季節の山野草5月」です。5月に咲くラショウモンカズラの花です。
1.
ラショウモンカズラは、本州・四国・九州の山地の林内の木陰に生えるシソ科ラショウモンカズラ属の多年草です。




2. 
ラショウモンカズラは、茎の上部の葉の脇に2~3個の花を横向きにつけます。



3. 
ラショウモンカズラの花は、大きさが4~5センチの紫色の唇形花です。上唇は紫色で先端が2つに分かれ、
下唇は左右と中央に3つに分かれています。




4.
ラショウモンカズラ(羅生門葛)の名は、この花の形を平安時代中期の武将である渡辺綱(わたなべのつな:
正式な名は源綱)が羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てたものとされているそうです。
カズラ(葛)は蔓(つる)のことですが、厳密には蔓ではなく、ランナーと呼ばれる蔓のような細い茎が地を
這うように伸びていきます。










季節の山野草
Vol.75   2018年 4月

「季節の山野草4月」です。4月から道端でも見かけるシロツメクサの花です。
1.
シロツメクサは、ヨーロッパ原産で日本全国の平地で普通に見られるマメ科シャジクソウ属の多年草です。




2. 
シロツメクサの茎は地をはって長く伸び、葉は3小葉からなり、葉柄は長さ5~15センチです。
4小葉からなる「四葉のクローバー」が珍重されます。球形の花序が、花茎を伸ばして立ち上がります。



3. 
シロツメクサは、長さ約1センチの白い蝶形花が30~70個集まって、直径1.5~3センチの球状の花序を作ります。




4.
シロツメクサ(白詰草)の名は、これを乾燥したものが、江戸時代(最初の記録は1844~45年)に
オランダから長崎に輸入されるガラス製品の梱包材として使われたので、白い「詰草」と名付けられました。
その中の種子が発芽して広がったのが始まりで、牧草として全国に広がりました。











季節の山野草
Vol.74   2018年 3月

「季節の山野草3月」です。冬から春の時期に近所の公園などで見かける野鳥のアオジです。
1.
アオジは、スズメより少し大きいホオジロ科ホオジロ属の野鳥です。
北海道や東北地方北部に広く分布するそうですが、冬期は積雪の少ない暖地に移動するそうです。




2. 
全体に緑色っぽい印象です。上面は褐色の羽毛で覆われ、黒い縦縞が入り、
上嘴は暗褐色、下嘴の色彩は淡褐色、後肢の色彩は淡褐色、下面が黄色い羽毛で覆われ、
喉が黄色いそうです。写真で見ると、喉が黄色いのと胸から腹が黄色にまだら模様なのが特徴のようです。



3. 
アオジは、植物の種子や昆虫類を食べ、地上で採食するそうです。




4.
アオジ(青鵐、蒿鵐、蒿雀)の名は、「アオ(青)」は緑も含めた古い意味での青の意でオスの色彩に由来し、
「ジ(鵐)」は「シトド」の略でシトドはホオジロ科の鳥の古名だそうです。











季節の山野草
Vol.73   2018年 2月

「季節の山野草2月」です。春の訪れを告げてくれるフキノトウです。
1.
厳しい寒さが続くなかでも、暦の上での春、立春を迎える頃、
フクジュソウとともに春の訪れを告げてくれるのが、フキノトウです。



2. 
フキは日本原産で、日本全土に分布するキク科フキ属の多年草です。フキノトウは、
フキのつぼみ・花茎です。地下茎が伸びていて、その先端からフキノトウが出ます。



3. 
フキの日本古来の呼び名は、ヤマフフキ(山生吹)またはオオバと呼んでいたようです。
ヤマフフキ(山生吹)の名の由来は、自生地が山地で、生吹は生長が早く繁茂する意味だそうです。
日本固有の種で、学名は「Petasites Japonicus」です。




4.
北海道富良野で見かけたフキノトウです。茎の直径が1.5センチメートル以上あり、
高さも30センチメートルを超えていました。北海道・本州北部には、フキの変種である
大型のアキタブキ(秋田蕗)が自生しています。そのうち北海道・足寄町の螺湾川(らわんがわ)
に沿って自生するのがラワンブキです。子どもの頃、大きな蕗を傘代わりに遊んだことを思い出します。


5.
フキは、雌株・雌花と雄株・雄花が別々の雌雄異株・雌雄異花の植物です。
細い糸状の雌蕊がたくさん見えるのが雌株の雌花です。雌花は細い糸状のたくさんの
雌蕊で白っぽく見え、花の後に花茎が長く伸びてタンポポと同じような綿毛を付けた種子を飛ばします。


6.
こちらは、雄株の雄花です。雄花は黄色い花粉のため黄白色に見え、花が開いた後、枯れてしまいます。





 







季節の山野草
Vol.72   2018年 1月

「季節の山野草1月」です。
落ち葉がすっかり落ちてしまった冬は、野鳥を容易に観察できる季節です。
近所で観察できるキツツキ(啄木鳥)3種です。啄木鳥(キツツキ)は、「ケラツツキ」に由来し、
「ケラ」は虫のこと。木の中の虫を啄(つつ)いて捕る鳥の意味だそうです。
1-1. コゲラ
コゲラはキツツキ科アカゲラ属の野鳥で、日本全国に分布しており、日本産の
キツツキのうち最小です。コゲラは、羽が灰褐色と白のまだら模様が特徴です。
コゲラ(小啄木鳥)の名は、小さいキツツキなので名付けられました。




1-2. アカゲラ。
アカゲラはキツツキ科アカゲラ属の野鳥です。
アカゲラは、黒い背中に白い逆「ハの字」型の模様、白い胸・脇腹と赤い下腹部が特徴です。
これは、後頭部が赤い(雌は黒い)ので、雄でしょうか。アカゲラ(赤啄木鳥)の名は、雄の成鳥の
後頭が赤い羽毛でおおわれていることに由来します。



1-3. アオゲラ
アオゲラはキツツキ科アオゲラ属の野鳥です。アオゲラ(緑啄木鳥)の名は、緑色のキツツキから。
古来の習慣で、緑色の鳥には「あお(緑)」の名(例:アオゲラ、アオバト)がつけられ、
青い鳥には「ルリ(瑠璃)」の名(例:オオルリ、ルリビタキ)がつけられるそうです。







◎石川啄木(本名:石川一)は、出身地の岩手県にキツツキ(啄木鳥)が多く、病気療養中に
 キツツキの木をつつく音に心を慰められたので、それでペンネームにしたそうです。




2012年2月に開始してから早や6年、今回で71回目になりました。



季節の山野草
Vol.71   2017年 12月

「季節の山野草12月」です。12月に赤い実が目立つナンテンです。
1-1.
12月に入ると、公園や民家の庭でナンテンの赤い実が目立つようになります。




1-2.
ナンテンは、メギ科ナンテン属の常緑低木です。中国原産で、西日本・四国・九州に
自生していますが、古くに中国から渡来した薬用・観賞用の栽培種が野生化したもの
とされているようです。
ナンテン(南天)の名は、漢名の「南天燭」「南天竹」の略で、南天を音読みにしたもの
です。
名が「ナンテン」で「難転(難を転ずる)」ことに通ずることから、縁起の良い木、厄除
けの木として玄関先などに植えられています。ヒイラギを表鬼門(北東)に、ナンテン
の木を裏鬼門(南西)に植えるとよいとされているそうです。



1-3.
南天が全国各地に広まったのは、南天の実を鳥たちが食べてくれるからだそうです。
ナンテンの実は熟すと甘酸っぱいので、ヒヨドリなど鳥たちの大好物。食べた後は
種子を遠くに運んでくれます。ナンテンの実は、果皮が肉質で液汁が多い液果なので、
冬場には貴重な食べ物なのかもしれません。



1-4.
6月に咲いたナンテンの花です。花の時期の雌しべ子房は白色で細長く、先端に短い
花柱と赤い柱頭が見えます。この子房が成長して球形に膨らみ、赤い実になります。




1-5.
ナンテンの花言葉は、「機知に富む」「福をなす」「良い家庭」「私の愛は増すばかり」
などだそうです。「福をなす」はナンテンの名前の通り「災い転じて福となす」に由来
す るそうで、「私の愛は増すばかり」は初夏に白い花が咲いて実が晩秋から初冬にかけ
て真っ赤に色づく姿にちなむといわれているそうです。











季節の山野草Vol.70   2017年 11月

11月中旬に花が咲く大型の園芸植物コウテイダリアです。
1-1.
11月中旬、コウテイダリアの花が一斉に咲き始めます。草丈は3メートルから4メートル近くあり、
コウテイダリア(皇帝ダリア)という名前にふさわしく、見上げるように大きく育っています。




1-2.
コウテイダリアは、メキシコからコロンビアにかけて自生するキク科ダリア属の多年草です。
高さは、最大で6メートルにもなるそうです。キク科の植物なので、秋になり日が短くなると
つぼみができ、花を咲かせます。



1-3.
コウテイダリアの別名は、木立ダリアです。幹といってもいいような茎の太さは、直径5~6センチ
あります。茎を輪切りにして植えると苗ができるそうです。芽は節のところから出るので、節を2つ
残すことが必要だそうです。



1-4.
コウテイダリアの花びらは8枚、花の直径は20センチメートル以上あるようです。




1-5.
コウテイダリア(皇帝ダリア)の学名はDahlia imperialisです。Imperialis(インペリアリス)は皇帝
の意味ですから、皇帝ダリアの名は学名をそのまま訳して名付けられたようです。












季節の山野草Vol.69   2017年 10月

10月から花が咲くセイタカアワダチソウです。
1-1.
空き地でセイタカアワダチソウの花が咲いています。




1-2.
セイタカアワダチソウは、北アメリカ原産で明治時代に切り花用の観賞植物として導入され、
第2次大戦後に広く帰化したキク科アキノキリンソウ属の多年草です。草丈は、高いものでは
2~3メートルもあるようです。



1-3.
セイタカアワダチソウは、他の植物の成長を阻害する物質を分泌しながら旺盛な繁殖力でひろがって
いるようですが、晩秋まで花があるので養蜂業者が全国に広めたという人為的要因もあるそうです。



1-4.
セイタカアワダチソウは、茎の先に大型の円錐花序をつけます。セイタカアワダチソウ(背高泡立草)の名は、
草丈が高く実になった綿毛の様子を泡に見立てたという説や、アワダチソウ(アキノキリンソウ)よりも草丈が
高いことに由来する説があるそうです。なお、アワダチソウ(泡立草、アキノキリンソウ)の名は、たくさんの
花が咲く花穂の形を日本酒が発酵する時に出る泡に例えたものだそうです。




1-5.
こちらは、北アメリカ原産の帰化植物オオアワダチソウの花です。セイタカアワダチソウは花穂先端が
尖って直立していますが、オオアワダチソウは花穂先端が垂れて横に広がっています。
北海道ではセイタカアワダチソウよりもオオアワダチソウが広がっています。










季節の山野草Vol.68   2017年 9月

8月末から9月に花が咲き実ができるヌスビトハギです。
1-1.
8月末から9月にヌスビトハギのピンク色の小さな花を見かけるようになります。
ヌスビトハギは、日本全土の山野に生えるマメ科ヌスビトハギ属の多年草です。




1-2.
ヌスビトハギの花は、大きさ3~4ミリのピンク色の小さな花です。



1-3.
ヌスビトハギは、花とともに「ヌスビトハギ(盗人萩)」の名前の由来になった実の形が独特です。



1-4.
ヌスビトハギ(盗人萩)の名は、実の形がつま先立って歩いた盗人の忍び足の足跡に
似ていることから名付けられたそうです。




1-5.
植物学者の牧野富太郎博士によると、古来の泥棒は足音を立てないように、
足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで、その時の足跡に似ているそうです。
上側は真っすぐで、下側が半円形に膨らんでいる形は眼鏡のようにも見えます。













季節の山野草Vol.67   2017年 8月

8月に聞こえる蝉しぐれです。
1-1.
セミの多くは羽が透明ですが、アブラゼミは体が黒褐色で翅全体が不透明の褐色
という珍しいセミです。アブラゼミは、日本全土に分布するセミ科アブラゼミ属の昆虫です。
アブラゼミ(油蝉)の名は、鳴き声が鍋で油を熱した時の「ジリジリ」という音に似ているので
名づけられたそうです。




1-2.
ミンミンゼミは、アブラゼミと同じくらいの大きさですが、腹部が短いのが特徴です。
黒地の地に緑色の斑紋があり、日本のセミでは比較的鮮やかな体色です。
暑さに弱いせいか、なかなか姿を現してくれません。ミンミンゼミは、日本全土に分布
するセミ科ミンミンゼミ属の昆虫です。ミンミンゼミ(ミンミン蝉)の名は、
「ミーンミンミンミーン」と鳴くからでしょう。



1-3.
8月も下旬になると、アブラゼミやミンミンゼミの鳴き声の比率が減って、ツクツクボウシの
鳴き声が次第に目立ってきます。ツクツクボウシは、日本全土の森林から地域によっては
市街地にも分布するセミ科ツクツクボウシ属の昆虫です。鳴き声は、文字通り「ツクツクボーシ」
です。子どもたちに、夏休みももうすぐ終わりだから残った宿題をやり終えようと告げてくれるセミです。








他にも、ヒグラシが9月中旬ごろまで「カナカナ」と鳴き続け、
最近では東京でもクマゼミが増えてきていますが、撮影できていません。






季節の山野草Vol.66   2017年 7月

6月から12月に花を咲かせるハキダメギクです。
1-1.
道ばたや畑で、小さなハキダメギクの花が咲いています。




1-2.
ハキダメギクは、熱帯アメリカ原産の帰化植物で、キク科コゴメギク属の1年草です。
大正時代に東京で確認され、現在は全国に帰化植物として定着しているそうです。



1-3.
ハキダメギク(掃溜菊)の名は、植物学者の牧野富太郎博士が世田谷で見つけた時に、
掃溜め(生活のゴミを捨てる場所)に生えていたことから名づけられたそうです。



1-4.
ハキダメギクの花の大きさは5ミリメートル程度ですが、拡大してみると勲章を
思わせるような形です。ハキダメギクの花は、先端が3つに分かれる5枚の白色の
舌状花、たくさんの黄色い筒状花からできています。




1-5.
ハキダメギクの花を観察していると、しろうと自然科学者としては「汚名返上」「名誉回復」
してあげたい気持ちになります。ハキダメギクの花言葉は、「不屈の精神」「豊富」だそうです。
どんな由来があるのでしょうか。













季節の山野草Vol.65   2017年 6月

6月に見られるマタタビの白い葉です。
1-1.
6月になると、林の中で葉が白くなっている蔓性植物を見かけるようになります。




1-2.
これは、北海道から九州の山地の林縁に自生するマタタビ科マタタビ属のマタタビの葉です。



1-3.
マタタビの花をつける蔓の先端部の葉は、花の咲く時期に白くなり、
昆虫を誘引するサインになっているそうです。よく見ると、花の蕾が見えます。
実がなる頃には、もとの緑色に戻るそうです。



1-4.
マタタビ(木天蓼)の名は、アイヌ語の「マタタンプ」に由来し、「木天蓼」は漢名です。
なお、名前の由来には、長旅に疲れた旅人がマタタビの果実を食べたら元気が出て、
「また旅」をしたということから名づけられたというマタタビ語源説があるそうです。




1-5.
ネコ科の動物はマタタビ特有の臭気に恍惚を感じ、ライオンやトラなども
マタタビの臭気に特有の反応を示すそうです。家猫がマタタビに強い反応を示すさまから、
「ネコにマタタビ」という言葉が生まれたそうです。










季節の山野草Vol.64   2017年 5月

5月に見られるホタルカズラの花です。
1-1.
5月になると、林の中でホタルカズラの花が咲きます。




1-2.
ホタルカズラは、日本全土の林の中や草地に自生するムラサキ科ムラサキ属の多年草です。



1-3.
ホタルカズラは、茎の上部の葉の付け根に青紫色の鮮やかな花をつけます。
花は先端が5つに分かれており、それぞれの中央に白い隆起があります。



1-4.
ホタルカズラ(蛍葛)の名は、星形に見える白い筋を蛍の光に見立てたものという説や、
瑠璃色の美しい花が緑の中に咲いている様子を蛍の光に見立てたことからという説が
あるそうです。カズラ(葛)は蔓(つる)のことです。厳密には蔓ではなく、ランナーと
呼ばれる蔓のような細い茎が地を這うように伸びていき、その先端から根を出して
翌年の株を作ります。










季節の山野草Vol.63   2017年 4月

4月に見られるミミガタテンナンショウの花です。
1-1.
ウォーキングコース(玉川上水)では、毎年3月末から4月初めにかけてミミガタテンナンショウの花が咲きます。




1-2.
ミミガタテンナンショウは、岩手県の太平洋側から関東地方および四国に分布する
サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。



1-3.
高さ10センチ程度の仏炎苞に包まれたミミガタテンナンショウの花。
仏炎苞の色には変異がありますが、通常暗紫色で、たくさんの白条(白いスジ)が縦に入ります。
仏炎苞の中に棒状に突き出した付属体が見えます。ミズバショウなどと同じように小さな花を
周囲に密生させた肉穂花序がありますが、肉穂花序は付属体の下部にあり、仏炎苞を切り取ら
ないと見ることはできません。



1-4.
ミミガタテンナンショウ(耳型天南星)の名は、仏炎苞の口辺部が耳朶(みみたぶ)のように
張り出していることと、「天南星」は中国で夜空に広がる星のことで葉が広がる形に由来するそうです。












季節の山野草Vol.62   2017年 3月

3月に見られるツクシです。
1-1.
3月に入ると、道端や畑でツクシが顔を出してきます。




1-2.
ツクシは、トクサ科トクサ属のスギナの胞子茎(胞子穂・胞子体)です。胞子茎のツクシは、食用になります。



1-3.
春にツクシという胞子茎を地下茎から伸ばして、胞子を放出します。



1-4.
ツクシ(土筆)の名は、スギナに付いているので「付く子」からツクシになったという説、
スギナと同じように節から抜いても継ぐことができるので「継ぐ子」からツクシになったという説、
土を突くように生えるので「突く子」からツクシになったという説などがあるようです。
漢字の「土筆」は、地表に生えている形が筆(ふで)に似ているから「土筆」になったと考えられています。




1-5.
こちらの写真では、胞子茎のツクシとともに、栄養茎の緑色のスギナも見えます。
全体が杉の樹形に似ているので、スギナ(杉菜)と呼ばれています。

















季節の山野草Vol.61   2017年 2月

「季節の山野草2月」です。2月に咲くクリスマスローズの花です。
1-1.
2月から3月、ウォーキングコースや民家の庭先で、クリスマスローズの花が目立つ季節になります。




1-2.
クリスマスローズは、キンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草です。



1-3.
クリスマスローズの名は、クリスマスの頃に白いバラ(薔薇:ローズ)のような花を咲かせることに
由来します。なお、クリスマスの時期に咲くのは「ヘレボルス・ニゲル」という品種だけで、他の
ものは春の2月下旬から4月に咲く「レンテンローズ」という品種で、これもクリスマスローズの
品名で流通しています。



1-4.
花びらのように見える赤紫色の5枚の萼片、花の中央に雌蕊、それを取り囲む多数の雄蕊、
萼片と雄蕊の間に見える薄黄緑色の筒状のものは花びらが退化した蜜腺(ネクタリー)です。




1-5.
クリスマスローズの花は、他のキンポウゲ科の植物と同じく花びらのように見えるのは萼片なので、
花弁(花びら)のようにすぐ散ることがなく、花のように長く鑑賞することができるのが特徴です。


















明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
2012年に始めた「季節の山野草」は、5年が経過し6年目に入りました。




季節の山野草Vol.60   2017年 1月

「季節の山野草1月」です。冬の季節は山野草の花も少ないので、今月は野鳥のハクセキレイです。

1-1.
ハクセキレイは、北海道・本州に分布するセキレイ科セキレイ属の留鳥または漂鳥です。





1-2.
ハクセキレイは、肩から背にかけては黒色、腹部は白く胸部が黒くなっています。
顔は白く、黒い過眼線(眼を中心に前後方向に入る線状または帯状の模様)が入ります。
セグロセキレイと似ていますが、ハクセキレイは眼下部が白いので区別できます。



1-3.
ハクセキレイ(白鶺鴒)の名は、白い鶺鴒で、別名「イシタタキ(石叩き)」
「ニワタタキ(庭叩き)」「イワタタキ(岩叩き)」と言うそうですが、
これは長い尾を上下に振るしぐさからきているようです。セキレイ(鶺鴒)の
名は、漢名の「鶺鴒」を音読みにしたもので、背筋をあらわす鶺(セキ)と
冷たく澄むという意味の鴒(レイ)からなり、背筋がすらりと伸びて清冷な
鳥という意味だそうです。




1-4.
ハクセキレイは雑食で、高いところから採食に適した場所を探し、水辺や畑に下りてきて、
歩きながら、主に昆虫やクモ、ミミズなどを捕えて食べるそうです。



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季節の山野草Vol.59   2016年 12月   

「季節の山野草11月」です。11月末から12月に見かけるヤツデの花です。

1-1.
11月末から12月にヤツデの花が咲きます。




1-2.
ヤツデは、本州(茨城県以南の太平洋側)・四国・九州・沖縄の海岸近い林内に
生えるウコギ科ヤツデ属の常緑低木で、庭などにも植えられています。




1-3.
花中央のベージュ色の花盤には、たくさんの透明な蜜の粒が見えます。
このヤツデの花盤にある蜜は、糖度50%という甘い蜜で、花が少ない
冬の時期にほのかな香りと特別に甘い蜜で昆虫をおびき寄せます。
ヤツデは虫媒花で、ハエが花粉を媒介する「ハエ媒花」です。



1-4.
ヤツデは雄蕊が先に熟する雄性先熟の植物で、開花直後に雄蕊が熟して
花粉を出します。この時、同じ花の雌蕊は伸びておらず、受粉できません。
自家受粉を避け、多様な遺伝子で種の存続をはかる仕組みになっています。




1-5.
花びらと雄蕊が落ちると、雌蕊が伸びて開花後期(雌性期)になります。
花の中央には5本の雌蕊花柱が伸びて広がっており、他の花の花粉で受粉します。



1-6.
ヤツデ(八つ手)の名は、葉が深く手のひらのように切れ込んでいることに
由来するようですが、葉は奇数に裂けており、8つに裂けることはありません。
この葉は、5つに裂けています。






1-7.
この葉は、7つに裂けています。


1-8.
この葉は、9つに裂けています。
















季節の山野草Vol.58   2016年 11月   

「季節の山野草11月」です。 11月に見かけるトクサです。

1-1.
ウォーキングの途中、民家の庭先でトクサを見つけました。
トクサは、本州中部から北海道にかけての山間の湿地に自生する
トクサ科トクサ属のシダ植物です。観賞用に栽培されています。





1-2.
よく見ると、同じトクサ科のツクシの頭部のような胞子葉群が見られます。
トクサも、ツクシと同じような胞子茎(胞子穂、胞子体)を出し、胞子を放出します。





1-3.
これは、まだ開いたばかりの胞子葉群でしょうか。胞子葉群の色は、黄緑色です。



1-4.
これは、胞子葉群の色が黄褐色に変化していますので、胞子を出しているのでしょうか。




1-5.
4年前の5月、自宅の庭にトクサが突然生えてきました。どこからか胞子が飛んできたのでしょうか。



1-6.
これは、北海道で林の中に自生していたトクサです。






1-7.
トクサ(砥草、木賊)の名は、トクサの茎が表面に珪酸を含んでざらつきがあり、
非常に堅くなっていて、細工物などを砥ぐ草(とぐくさ)から名づけられたそうです。
表面のザラザラを活かして、煮込んで乾燥させたものを薄板などに貼り付け、
ツゲ櫛などの木工品を磨くために利用されたそうです。


1-8.
こちらは、4月に見られる同じトクサ科のツクシの胞子茎です。















季節の山野草Vol.57   2016年 10月   

「季節の山野草10月」です。10月に咲くアキノキリンソウの花です。

1-1.
ウォーキングコース(玉川上水)では、10月にアキノキリンソウの花が咲きます。
アキノキリンソウの草丈は、20~80センチメートルだそうですが、ウォーキング
コースでは草丈20~30センチメートル程度です。





1-2.
アキノキリンソウは、日本全土の日当たりの良い山野に生えるキク科
アキノキリンソウ属の多年草です。荒地の雑草として知られている
セイタカアワダチソウも、同じキク科アキノキリンソウ属の多年草です。





1-3.
アキノキリンソウの花は、中央に両性の筒状花があり周りを雌性の舌状花が
囲んでいます。内側の筒状花が結実するそうです。




1-4.
アキノキリンソウ(秋の麒麟草)の名は、花がベンケイソウ科キリンソウ属の
キリンソウに似て秋に咲くことから。別名のアワダチソウ(泡立草)は、
たくさんの花が咲く花穂の形を日本酒が発酵する時に出る泡に例えたものだ
そうです。





1-5.
アキノキリンソウの花言葉には、「予防」「安心」「幸せな人」「用心」
「要注意」などがあるそうです。「予防」「用心」「要注意」は、アキノ
キリンソウ属のセイタカアワダチソウなどの花粉が、花粉症の原因になる
からなのでしょうか。














季節の山野草Vol.56   2016年 9月   

「季節の山野草9月」です。8月から9月に咲くキンミズヒキの花です。

1-1.
ウォーキングコースでは、8月から9月にかけてキンミズヒキの花が咲きます。





1-2.
キンミズヒキ(金水引)の名は、金色の水引で、金色(黄色)の花を長い穂状に咲かせるので
水引にたとえたようです。キンミズヒキの花言葉は、「感謝の気持ち」「感謝の心」だそ
うですが、祝儀袋などについているミズヒキの名から付けられたのでしょうか。





1-3.
キンミズヒキは、日本全土の道端や野原に多いバラ科キンミズヒキ属の多年草です。




1-4.
キンミズヒキの果実は、花の後に萼片が閉じ、周りに萼筒の縁の副萼片が
変化したカギ状の長さ3ミリのトゲが伸び、これが「ひっつき虫」として
動物の体や衣服につき、種の拡散に役立っています。





 




季節の山野草Vol.55   2016年 8月   

「季節の山野草8月」です。8月に咲くタカサゴユリの花です。。

1-1.
8月中旬から下旬にかけて、ウォーキングコースでタカサゴユリの花が咲きます。





1-2.
タカサゴユリは、ユリ科ユリ属の多年草で、台湾原産で大正時代に園芸用として
導入されたものが、種子で繁殖し野生化している帰化植物だそうです。





1-3.
タカサゴユリの花は、花の外側が紫褐色になっています。
蕾を見ると、ほぼ全体が紫褐色で覆われているようです。





1-4.
花が開いたものは、花の外側(外側脈沿い)が紫褐色になっています。





1-5.
こちらの花は、花の外側が全て白く、外側脈沿いに紫褐色のスジは見えません。
タカサゴユリとテッポウユリの園芸的な交雑種に花が白色のシンテッポウユリがあるなど、
さまざまな交雑種や変異があり外見上の判別は難しいそうです。





1-6.
6枚の花びら、6本の雄蕊、中央には1本の雌蕊が伸びています。タカサゴユリ(高砂百合)の名は、
沖縄方言で台湾を指す言葉「サカサング」産の百合に由来するそうです。
台湾では、「台湾百合」と呼ばれているそうです。













季節の山野草Vol.54   2016年 7 月   

「季節の山野草7月」です。7月に咲くノウゼンカズラの花です。

1-1.
ノウゼンカズラが木にからみつき、数メートルの高さになっています。夏らしい光景です。
オレンジ色の花が満開です。





1-2.
ノウゼンカズラは、中国原産で平安時代に渡来したといわれているノウゼンカズラ科
ノウゼンカズラ属の落葉蔓性植物です。他に、アメリカ原産のアメリカノウゼンカズラの
黄花・紅花や、雑種などがあるそうです。





1-3.
ノウゼンカズラの花はラッパ型で、萼は筒状で先端が5つに分かれ、
花冠は先端が5つに分かれています。





1-4.
雌蕊の柱頭は舌状に2つに分かれ、雄蕊は4本です。雄蕊は、長いのが2本と短いのが2本です。
葯が2つに分かれているのがよくわかります。





1-5.
ノウゼンカズラ(凌霄花)の名は、「凌霄花」は漢名から。「凌霄」の音読みは「ノウショウ」で、
「凌」は「しのぐ」の意味で「霄」は空や雲の意味があり、空をしのぐように高く咲く花の姿から
名付けられたそうです。「ノウショウカズラ」が転じて「ノウゼンカズラ」になったとのこと。
名前の通り、空をしのぐように高く咲くノウゼンカズラの花です










季節の山野草Vol.53   2016年 6 月   

「季節の山野草6月」です。近くの雑木林でオオタカが巣を作っており、
幼鳥・若鳥を観察できましたので、今回はオオタカを紹介します。




1-1.

近くの雑木林で大型の野鳥が巣を作っているという話を聞き、見に行きました。





1-2.
巣にいたのは、オオタカの幼鳥・若鳥でした。オオタカの成鳥は胸から腹の模様が横縞ですが、
オオタカの幼鳥・若鳥は縦縞で、体の色も茶色です。



1-3.
3週間後、再び見に行くと、さらに体が大きくなり、羽の色の茶色も濃くなってきたようです。











1-4.
これがオオタカの成鳥です。羽の色は青みを帯びた黒で、胸から腹の模様は横縞になっています。
このような体色になるのには、どのくらいの期間が必要なのでしょうか。
オオタカについては、2014年の「季節の山野草11月」で紹介しました。








 









季節の山野草Vol.52  2016年 5 月   

「季節の山野草5月」です。5月に咲くハリエンジュ(ニセアカシア)の花です。

1-1.
5月に入ると、大きなハリエンジュ(ニセアカシア)の木にたくさんの白い花が咲きます。





1-2.
ハリエンジュは、北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木で、明治初期に日本に渡来しました。




1-3.
別名はニセアカシアで、これは学名(pseudoacacia:偽のアカシア)を直訳したものだそうです。
日本に輸入された時はアカシアと呼ばれていて、後に本来のアカシアが輸入されてからは
ニセアカシアと呼ばれるようになったそうです。本来のアカシアの花は、放射状に咲く黄色い花です。











1-4.
アカシアとニセアカシアは混同されていることが多く、「アカシアの雨がやむとき」(西田佐知子のヒット曲)・
「赤いハンカチ」(石原裕次郎のヒット曲)などの「アカシアの白い花」は、ニセアカシアのことだそうです。









1-5.
ハリエンジュ(針槐)の名は、エンジュに似ていて棘があることから。このように、枝に鋭いトゲがあります。






 




季節の山野草Vol.51   2016年 4 月   

「季節の山野草4月」です。4月に咲くニリンソウの花です。

1-1.
ウォーキングコース(玉川上水)では4月に、春を代表する花ニリンソウが咲きます。
ニリンソウは、根茎で増えるので群落を作りやすいそうです。





1-2.
ニリンソウは、日本全土に分布するキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。




1-3.
ニリンソウ(二輪草)の名は、一本の茎に二つの花を咲かせることに由来しますが、
実際には花数は一輪や三輪の時もあります。











1-4.
この花は、咲いている花が一つとつぼみが二つ、三輪咲くようです。









1-5.
ニリンソウの花のつくりです。白い花びらのように見えるのは、萼片です。
普通は5枚ですが、多いもの(~7枚)も見られるそうです。花弁はなく、多数の雄蕊の中央に、
多数の雌蕊が見えます。この花では、雌蕊が10本ほど見えます。






 




季節の山野草Vol.50   2016年 3 月   

「季節の山野草 3月」です。3月から一斉に咲くホトケノザの花です。

1-1.
ホトケノザの花は毎年10月末から咲き始めて中断し、1月から少しずつ咲き始め、
3月初旬に一斉に開花します。





1-2.
ホトケノザは、アジア・ヨーロッパ・北アフリカに分布し、日本では本州以南に
分布するシソ科オドリコソウ属の1年草または越年草です。




1-3.
越年草とは、秋に発芽し越冬し翌年に花が咲いて枯れる二年生植物のことです。










1-4.
ホトケノザ(仏の座)の名は、対生した葉が仏様の連座に似ていることに由来します。
春の七草の「ホトケノザ」はキク科のコオニタビラコですが、葉の形を考えると
「仏の座」の名はシソ科のこの植物が最適に思われます。






 





季節の山野草Vol.49   2016年 2 月   

「季節の山野草 2月」です。2月から咲き始めるオオイヌノフグリの花です。

1-1.
オオイヌノフグリの花は、2月から咲き始め5月まで咲き続けます。
3月下旬からは、オオイヌノフグリの花が一斉に咲き、原っぱは空色のじゅうたんのようになります。
この光景を見ると、「瑠璃唐草」「星の瞳」という別名が納得できます。





1-2.
オオイヌノフグリは、オオバコ科クワガタソウ属の越年草で、西アジア・中近東の原産で
世界中に広がっている帰化植物だそうです。日本では明治時代に帰化が確認され、今では
全国に広がっています。越年草とは、秋に発芽し越冬し翌年に花が咲いて枯れる二年生植物のことです。
オオイヌノフグリの名は、イヌノフグリより大きいことに由来します。イヌノフグリ(犬陰嚢)の名は、
実の形が雄犬のフグリ(陰嚢)に似ていることに由来します。




1-3.
オオイヌノフグリの花は、花冠は4つに分かれており、上部(写真では下)の裂片がやや大きく
色も濃くなっています。雌蕊は1本、雄蕊が2本で雌蕊の両側に1本ずつあります。
雄蕊2本の形が、クワガタの形を連想させるようです。










1-4.
オオイヌノフグリは、秋に芽を出して冬に横に広がり、早春にたくさんの花をつけます。
1株でたくさんの種をつけるので、自然群落の5株で1株あたり平均545個の種子が生産された
という調査結果があるそうです。
また、オオイヌノフグリの種子のくぼみの中には、アリが好むエライオソームという物質が
ついています。アリがエライオソームをくわえて、種子を巣の中まで運び、種子が広がっていきます。






 





季節の山野草Vol.48   2016年 1 月   

「季節の山野草 1月」です。
私のウォーキングコース(玉川上水)では、30種ほどの野鳥を観察できます。
その中から、冬に見かけるサギを3種類紹介します。


1-1.
アオサギは、サギ科アオサギ属の野鳥で、体長が90センチになる日本最大のサギです。
本州・四国では留鳥なので、玉川上水では一年中見かけます。アオサギ(蒼鷺)の名は、
蒼い鷺に由来し、「蒼い」とは灰色がかった白色のことだと知りました。





1-2.
コサギは、サギ科シラサギ属の野鳥で、体長は60センチです。 水辺で首を縮めて立って
いる姿が、よく見られます。コサギ(小鷺)の名は、シラサギの中で最も小さいことに由来
します。シラサギは三種類で、コサギ、チュウサギ、ダイサギの順に大きくなります。




1-3.
ダイサギ(大鷺)は、サギ科アオサギ属の野鳥で、アオサギと同じく体長が90センチにも
なります。夏羽は嘴が黒色ですが、冬羽では嘴が黄色になります。










1-4.
玉川上水には、体長が5~10センチ程度の小魚がおり、鷺とともに魚を狙うカワセミやカワウなども見かけます。






 

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季節の山野草Vol.47   2015年 12 月   

「季節の山野草 12月」です。12月に赤い実が目立つマユミの実です。



1-1.
11月から12月、マユミの実がピンク色に熟して見頃になります。





1-2.
マユミは、日本と中国の林に自生するニシシギ科ニシシギ属の雌雄異株の
落葉低木または小高木です。マユミ(真弓、檀)の名は、この木の材質が強くて
良くしなるので、弓を作る材料に使われたことに由来するそうです。
今では、マユミの材は、印鑑や櫛、こけしや将棋の駒に利用されているそうです。



1-3.
マユミは、秋に実と種、そして紅葉を楽しむ庭木として親しまれています。
市販されているマユミは、雌株しか出回っていないそうですが、雌株だけで
実が付くそうです。









1-4.
マユミの実は、実の中央から4つに分かれていきます。マユミの1つの実には、
赤い仮種皮に包まれた種が4個あるようです。マユミの種は、人間が食べると
吐き気や下痢を起こすそうですが、秋や冬にはヒヨドリやメジロなどの野鳥
が食べにくるそうです。






 





季節の山野草Vol.46   2015年 11 月   

「季節の山野草 11月」です。11月に咲くヒメツルソバの花です。



1-1.
道端に咲くヒメツルソバです。5月から花が咲き始めますが、
真夏は途絶えて10月から再び花が目立つようになります。
そして、暦の上では冬に入った今が花盛りの季節です。





1-2.
ヒメツルソバは、ヒマラヤ地方の原産で、明治時代にロックガーデン用に
導入されたタデ科イヌタデ属の多年草です。空き地や道端で雑草化しており、
道端のコンクリートの隙間に根を張り、広がっています。



1-3.
花は集合花で、小さい花が球状に集まった金平糖のような形をしています。








1-4.
花が開いているのも見えます。花びらのように見えるのは、他のタデ科の
植物と同じように5枚の花被片(萼片)です。ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)の名は、
海岸に自生するツルソバに似ていて全体に小さいことから名づけられました。






 





季節の山野草Vol.45   2015年 10 月   

「季節の山野草 10月」です。10月に美しい実をつけるサネカズラです。



1-1.
8月末に花が咲いていたサネカズラですが、10月になって実が赤くなってきました。
サネカズラは、マツブサ科サネカズラ属の蔓性植物です。





1-2.
サネカズラは、実の付き方が、変わっています。花床に小さな花がたくさん付き、
花後に花床が球形に膨らみ、そこに小さな実が付いています。


1-3.
実の色は、緑色からサクランボ色に変わり、そして赤く変わっていきます。








1-4.
サネカズラ(実葛)の名は、実(サネ)が美しい葛(カズラ:つる性植物)に由来します。





 








季節の山野草Vol.44   2015年 9 月   

「季節の山野草 9月」です。9月に咲いているキレンゲショウマとレンゲショウマの花です。



1-1.
キレンゲショウマは、紀伊半島・四国・九州に自生するアジサイ科キレンゲショウマ属
(Kirengeshoma属)の多年草です。日本特産の1属1種の植物で、キレンゲショウマが学名の
属名になっています。






1-2.
キレンゲショウマの花は、美しく黄色い5弁花で、萼筒が半球形で先に浅い三角形の5裂片があります。
キレンゲショウマ(黄)の名は、花が黄色でレンゲショウマに似ていることから名付けられたそうですが、
よくわかりません。花茎の先につく丸いつぼみの形が、レンゲショウマに似ているようにも思えますが。


2-1.
レンゲショウマは、本州の太平洋側の深山に生えるキンポウゲ科レンゲショウマ属の多年草です 。
レンゲショウマも日本特産の1属1種の花です。レンゲショウマの花は萼が花弁状で平らに開くので、
中央の筒状に重なっている本来の花びらとともに2段構えに花弁が咲くように見えます。

・レンゲショウマ(蓮華升麻)の名は、花が蓮に似て、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ている
 
ことから名付けられたそうです。奥多摩の御岳山では、ケーブルカー御岳山駅の近くにレンゲ
 ショウマの群生地があり、毎年8月に「レンゲショウマまつり」が開催されています。






 






季節の山野草Vol.43   2015年 8 月   

「季節の山野草 8月」です。8月から咲くセンニンソウの花です。



1-1.
ウォーキングコースでは、8月からセンニンソウの花が咲きます。花は、10月まで咲き続けます。
つる植物で、他の木や草にからみつきながら長い茎を伸ばして成長していきます。







1-2.
センニンソウは、日本全土の日当たりの良い山野に生えるキンポウゲ科センニンソウ属の多年草です。


1-3.
4枚の花びらに見えるのは萼片ですので、花びらはありません。つぼみを包んでいる
黄緑色の4枚の萼片が十字形に外に広がって伸び、白い花びらのようになります。






1-4.
11月になると、5~8本ほどある雌蕊花柱が羽毛状の白い毛をつけて伸びてきます。
センニンソウ(仙人草)の名は、実の先端にある羽毛状の白い毛を仙人のヒゲ(髭)に
見立てて名付けられたそうです。







 






季節の山野草Vol.42   2015年 7 月   

「季節の山野草 7月」です。毎年7月に咲くノカンゾウとヤブカンゾウの花を紹介します。



1-1.
ウォーキングコース(玉川上水)では、6月末から7月にかけてたくさんのノカンゾウが咲きます。







1-2.
ノカンゾウは、本州以西に分布し、野原や湿地の縁など、やや湿性の場所を好む
ユリ科(APG分類第3版ではススキノキ科)ワスレグサ属の多年草です。


1-3.
ノカンゾウ(野萱草)の名は、漢名の萱草(カンソウ)をそのまま音読みして、
野山に咲くカンソウからノカンゾウに転訛したそうです。「萱(かや)」は、
屋根を葺くのに使われるカヤなどの総称で、細長い葉を持つ植物に使われ
る名前だそうです。






1-4.
属名のワスレグサ(忘れ草)の名は、花の蕾を調理して食べると
心配ごとをすべて忘れるほどおいしいことに由来する説や、
美しい花を見ると憂さを忘れることに由来する説があるそうです。
今年、ウォーキングコースでたくさん咲くノカンゾウを見ていると、
ワスレグサ(忘れ草)の名前の由来に納得できる気がします。








2-1.
ウォーキングコースでは、6月から咲くノカンゾウとともに
ヤブカンゾウの花もたくさん咲いています。




2-2.
ヤブカンゾウは、日本全国に分布し、平地や丘陵地の斜面、田畑の土手、道端、川縁、
林縁などいたる場所に自生するユリ科(APG分類第3版ではススキノキ科)ワスレグサ属の
多年草です。ヤブカンゾウは中国原産で、日本には有史以前に帰化したといわれている
そうです。ヤブカンゾウの花は、八重咲きです。


2-3.
ヤブカンゾウ(藪萱草)の名は、藪に咲く萱草から。「藪」は、
「野」よりも人家の近くに生えることを意味するそうです。



2-4.
ヤブカンゾウの花は、雄蕊の一部または全部が花びらのように
なって八重咲きになっています。手前の下には雄蕊の花糸と花粉
が出ている葯が見え、上には花びらにある花粉が出ている葯が見
えます。雄蕊の一部が花びらのようになって八重咲きになると
いう証拠を示しているように見えます。



 





季節の山野草Vol.41   2015年 6 月   

「季節の山野草 6月」です。毎年6月に咲くクリの花を紹介します。



1-1.
6月初めから、クリ畑でクリの花が咲き始めました。クリは、ブナ科クリ属の落葉高木です。
栽培品種の原種は、北海道(石狩・日高地方以南)から九州の山野に自生し、シバグリ(柴栗)
またはヤマグリ(山栗)と呼ばれます。







1-2.
新枝の葉の脇から、長さ10~15センチの尾状花序を出します。
クリは、雌雄同株・雌雄異花で、花序につくほとんどの花は雄花です。


1-3.
たくさんの雄花とともに、花序の基部に雌花がつきます。真ん中と右側に雌花が見えます。





1-4.
クリの雄花です。雄花は無柄で、半円形の苞の脇に7個ほどが集まってついている
そうです。1つの花の雄蕊は約10本で、長く突き出ています。








1-5.
花序の基部に咲く雌花です。雌花の子房が、緑色の総苞(若いイガ)の中に3個ずつ入っており、
受粉するとクリの実になります。雌花の総苞は、花の時期には直径3ミリほどの球形で、
外側は先端が鋭い披針形の鱗片で覆われています。雌蕊の花柱は、長さ3ミリほどの針状で 、
9~10本が総苞の外に突き出しています。まわりの総苞片は、成長するに伴って針状に尖った
イガになります。
クリ(栗)の名は、落ちた実が石のようであることから小石を意味する古語「くり」に由来する
という説や、朝鮮語の「クル」に由来するという説もあるそうです。












季節の山野草Vol.40   2015年 5 月   

「季節の山野草 5月」です。毎年5月に観察する山野草のフタリシズカとスイカズラを紹介します。



1-1.
4月下旬から5月中旬にかけて、フタリシズカの花が咲きます。
フタリシズカは、沖縄を除く日本全国に分布し、山林の比較的暗い場所に
生えるセンリョウ科チャラン属の多年草です。







1-2.
フタリシズカ(二人静)の名は、能の謡曲「二人静」の中で
静御前の霊とその霊に憑かれた菜摘女(なつめ)が舞を舞う姿に、
この花の2本の花序を見立てて付けられたとのこと。


1-3.
穂状花序は、フタリシズカの名の通り2本が一般的ですが、
3本から5本以上になることもあります。この花は4本です。






1-4.
フタリシズカの花は花びらがなく、白く3つに分かれて見えるのは、
雄蕊の花糸です。花糸の内側に花粉が入っている葯があります。
雄蕊の花糸の付け根内側に先端が丸い雌蕊があります。








2-1.
ウォーキングコースでは、5月下旬からスイカズラの花が咲いています。スイカズラは、
日本全国に分布し、山野に生えるスイカズラ科スイカズラ属の蔓性常緑植物です。






2-2.
スイカズラは、葉の腋に2つの花を咲かせます。


2-3.
スイカズラの花は、一つの茎に白と黄色がありますが、最初は白い花で徐々に
黄色くなります。このため、金銀花という別名もあるそうです。





2-4.
右側から順に、筒状で薄黄緑色の蕾、咲いたばかりの白い花、薄クリーム色に
変わってきた花、黄色に変わった花です。このように、しだいに花の色が変化
していきます。
スイカズラ(吸い葛)の名は、古くに花を口にくわえて甘い蜜を吸っていたことから。
カズラ(葛)は蔓のことで、つる性植物であることから。















季節の山野草Vol.39   2015年 4 月   

毎年4月に観察する山野草のフデリンドウと4月に東南アジアから飛来する渡り鳥オオルリを紹介します。



1-1.
フデリンドウは、北海道・本州・四国・九州の山地の林内、日当たりの良いやや乾いた
草地や明るい林に自生するリンドウ科リンドウ属の越年草です。







1-2.
フデリンドウは高さ5~10センチ程度で、漏斗状の青紫色の花を茎の上部に
1~10個、上向きにつけます。



1-3.
フデリンドウ(筆竜胆)の名は、花が日に当たっている時だけ開き、
曇天・雨天時は筆先の形をした蕾状態になって閉じており、
花の閉じた形が筆の穂先に似ていることから名づけられたそうです。







2-1.
ウォーキングコース(玉川上水)で歩いていると、木の枝に見たことがない青い鳥が
見えました。オオルリのオスです。






2-2.
オオルリは、日本へは夏鳥として4月下旬ころに渡来し、北海道から九州までの全国各地で
繁殖して、10月過ぎの冬季は東南アジアで越冬するヒタキ科オオルリ属の渡り鳥です。
オオルリのさえずりは、ウグイス・コマドリとともに日本三鳴鳥に挙げられているほど
美しいとされています。


2-3.
オオルリのオスは、背中は尾を含めて金属光沢のある鮮やかな青色(瑠璃色)です。
尾の基部の左右には、白班が見えます。オオルリのオスの喉と顔は黒く目が目立たず、
腹は白くなっています。オオルリ(大瑠璃)の名は、コルリやルリビタキに比べて
大きめの青い(瑠璃色の)鳥です。
古来の習慣で、緑色の鳥には「あお(緑)」の名(アオゲラ、アオバト)がつけられ、
青い鳥には「ルリ(瑠璃)」の名(オオルリ、ルリビタキ)がつけられるそうです。















季節の山野草Vol.38   2015年 3 月   

毎年3月から4月に観察する山野草のタチツボスミレとムラサキケマンを紹介します。



1-1.
3月末から4月にかけてウォーキングコース(玉川上水)のいたるところで
タチツボスミレが咲きます。タチツボスミレは、日本を代表するスミレで、
北海道から沖縄まで日本全土に分布するスミレ科スミレ属の多年草です。







1-2.
タチツボスミレは、アリを利用して種子を拡散・散布させて広がっていきます。



1-3.
タチツボスミレ(立坪菫)の名は、身近な道端や庭(坪)で見られることと、
茎が立ち上がってくることに由来するそうです。スミレ(菫)の名の由来は
諸説あり、定説はありません。






2-1.
ウォーキングコースでは、3月下旬からムラサキケマンの花が咲き始めます。
ムラサキケマンは、日本全国の木陰など直射日光の当たらないところに
自生するケマンソウ科キケマン属の越年草です。






2-2.
ムラサキケマンの花は、薄紫色で筒状、先端は唇形、茎の上部に総状につきます。



2-3.
これは、4月末に見かけたムラサキケマンの若い実です。この中の種は、
6月頃に熟します。独特の生活史で、この中の種が花を咲かせるのは2年後の春です。
今年できた種は来年春に芽を出し、一度枯れた上で秋に再び芽を出し、
年を越して再来年の春に花を咲かせます。






 




季節の山野草Vol.37   2015年 2 月   

毎年2月に観察する山野草の「セツブンソウ」を紹介します。



1-1.
昭和記念公園のメールマガジンを見て、セツブンソウを見に行きました。
一昨年は2月中旬の開花でしたが、今年は1月下旬には咲き始めました。
1月30日の雪が残っている中で、セツブンソウが咲いていました。







1-2.
セツブンソウは、関東地方以西に分布するキンポウゲ科セツブンソウ属
の多年草です。落葉広葉樹林の林床に生え、石灰岩地を好むそうです。
セツブンソウ(節分草)の名は、節分の頃に咲くことから名付けられました。



1-3.
花は直径約2センチメートルの可憐な花で、草丈は5センチメートル程度です。






1-4.
白い花弁に見えるのは萼片で、その内側の黄色い蜜腺に見えるのが
退化した(?)花びらです。白い萼片は5枚が基本ですが、6枚のものも
あるようです。
















季節の山野草Vol.36   2015年 1 月   

「季節の山野草 1月」です。季節は真冬で、紹介する山野草も少ないので、1月に観察
した野鳥のカワセミとソウシチョウを紹介します。


1-1.
ウォーキングコース(玉川上水)を中心に本格的な自然観察を始めてから3年、
カワセミを6回見かけました。カワセミが飛んでくるのが見え、近くの木に
とまりました。







1-2.
木の枝に止まって、周りを見渡しているかのようです。 カワセミは、
カワセミ科カワセミ属の野鳥です。北海道では夏鳥ですが、他の地域
では留鳥として1年中見ることができるそうです。



1-3.
カワセミ(翡翠、川蝉)の名は、川に棲む「セミ」に由来するそうです。
「セミ」は、古名の「ソニ(青土)」が「ソビ」に変化し、それが「セミ」
になったそうです。「翡翠」は、鮮やかな水色や緑色に見える体色から
「ヒスイ」「青い宝石」と呼ばれたことに由来しますが、「川蝉」は
「蝉」とは関係なく「カワセミ」の音を当てた漢字だそうです。







1-4.
カワセミの羽の鮮やかな色は、羽の色素によるものではなく、羽毛に
ある微細な構造によって光の加減で青く見えるものだそうです。これは
構造色の一つで、微細な溝・突起などによる光の干渉で見えるもので、
コンパクトディスクではアルミ薄幕表面に刻まれた凹凸が光を干渉する
ので記録面側が虹色に見えるそうです。









2-1.
雑木林の脇に、見なれない野鳥を見かけました。野鳥図鑑やインター
ネットで調べた結果、外来種のソウシチョウであることがわかりました。




2-2.
ソウシチョウは江戸時代から飼育用に輸入されていましたが、日中国交
正常化以降に中国からの輸入が激増し、爆発的に野生化したそうです。
ソウシチョウは、外来生物法で特定外来生物に指定されています。
さらに、「日本の侵略的外来種ワースト100」で、5種の鳥類の1つに選定
されています。





2-3.
ソウシチョウは、スズメ目チメドリ科に分類される鳥です。
ソウシチョウ(相思鳥)の名は、つがいのオスとメスを分けてしまうと
お互いに鳴き交わしをするため名づけられたそうです。なお、中国
現地名は「紅嘴相思鳥」ですが、これは特徴を表す最適な名だと思い
ました。







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季節の山野草Vol.35   2014年 12 月   

黄葉が美しいイチョウとイチョウ(銀杏、鴨脚樹)の呼びかたと名前の由来です。


1-1.
11月下旬から黄葉が美しいイチョウ並木ですが、そろそろ見頃も終わりになってきました。






1-2.
イチョウ(銀杏、鴨脚樹)は、イチョウ科イチョウ属の落葉高木です。
イチョウ(銀杏)の名は、実の形がアンズ(杏)に似ており、種子の殻が銀白色で
あることに由来するそうです。たわわに実っているギンナン(銀杏)です。


1-3.
一方、イチョウ(鴨脚樹)という呼びかたと名は、中国語で「イーチャオ」「ヤーチャオ」と
発音される「鴨脚」が変化したものと言われているそうで、イチョウの葉の形が
鴨の水かきの形に似ていることからきているそうです。






1-4.
そのことを確認するため、カルガモとマガモが岸辺に上がっている撮影チャンスを
ねらってきました。昼寝中のカルガモでしょうか。じっとしてくれていたので、
コンパクトデジタルカメラのズーム機能で比較的鮮明に撮れた1枚です。





1-5.
こちらは、昼寝中のマガモです。コンパクトデジタルカメラのズーム機能で、
ピントはイマイチですが、水かきがあるマガモの足の形は鮮明にわかります。
・イチョウ(銀杏、鴨脚樹)の呼びかたと漢字表記の由来、確認できました。







1年間、お世話になりました。来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。(岡田光弘)








季節の山野草Vol.34   2014年 11 月   


11月に咲く花サフランと、昨年秋に見かけた野鳥オオタカです。


1-1.
11月、ウォーキングコース(玉川上水)の柵の中で、アヤメ科クロッカス属の多年草サフランが
咲きます。サフランは、地中海沿岸原産で江戸時代に日本に渡来したそうです。






1-2.
濃赤褐色で先端が漏斗状に広がり垂れ下がっているサフランの雌しべは、薬用、
染料、香料として用いられています。1キログラムのサフランの乾燥した雌しべを
得るためには、約17万本の花が必要だそうですが、高価になるのが納得できます。

・サフランの名は、アラビア語で黄色を意味する「アスファル」を語源とする
「ザアファラーン」に由来するそうです。雌しべを水に溶かすと鮮やかな黄色に
なり、料理の色付けや風味付けに使用されるそうです。





2-1.
昨年秋、ウォーキングの途中で大きめの鳥が見えたので、近づいてみました。
獲物を捕らえたオオタカでした。オオタカは、タカ科に属し、日本のタカの
代表的な種で、鷹狩りに使われていたそうです。江戸時代は鷹狩りが盛んで、
三鷹市の「三鷹」の地名は三領の鷹場村が合併して三鷹村になったことに
由来するそうです。








2-2.
オオタカは住宅地の造成などで生息数が減り、1984年の調査では全国で500羽以下
と推定されていましたが、2008年の調査では関東地方周辺だけで約5,800羽まで
回復したそうです。環境省のレッドリストでも、2006年に絶滅危惧種から外れ
準絶滅危惧種になったそうです。













季節の山野草Vol.33   2014年 10 月   


10月に観察できるブナ科の実(ドングリの仲間)です。

・日本に自生するブナ科には、コナラ属、クリ属、マテバシイ属、シイ属、
ブナ属があります。秋に一斉に落葉する落葉高木、一斉に落葉することが
ない常緑高木があり、実が成熟する時期が半年後の秋と1年半後の翌年秋、
実の形なども様々です。



1-1.
コナラ(ブナ科コナラ属)
・コナラは、落葉高木で、4月から5月に開花し、実は半年後の秋には成熟します。
ドングリでは、もっともポピュラーなものです。

・図画・工作の時間に、椀状の殻斗やドングリの実とマッチ棒でドングリ工作を
した方もいるかもしれません。






1-2.
クヌギ(ブナ科コナラ属)
・クヌギは、落葉高木で、4月から5月に開花し、実は1年半後の翌年秋に成熟します。
ダルマ型の丸い大きな実の形が特徴です。

・この木の樹液を求めて、クワガタムシやカブトムシがやってきます。




1-3.
シラカシ(ブナ科コナラ属)
・シラカシは、常緑高木で、秋から冬も、コナラやクヌギのように一斉に落葉する
ことはありません。4月から5月に開花し、実は半年後の秋には成熟します。

・シラカシ(白樫)の名は、材が白いので名付けられました。








2-1.
クリ(ブナ科クリ属)
・クリは、落葉高木で、5月から6月に開花し、実は半年後の秋には成熟します。
針状のイガは、ドングリの椀状の殻斗が変化したものです。

・自生種は実が小さいのですが、縄文時代から栽培されており、甘くて大きい
品種が育てられてきました。







3-1.
マテバシイ(ブナ科マテバシイ属)
・マテバシイは、常緑高木で、5月から6月に開花し、実は1年半後の翌年秋に成熟
します。実が細長いのが特徴です。




3-2.
マテバシイ(ブナ科マテバシイ属)
・マテバシイは、公園樹として植えられていますので、葉が常緑で大きく
コナラより細長いドングリをご覧になったことがあるかも知れません。



4-1.
スダジイ(ブナ科シイ属)
・スダジイは、常緑高木で、5月から6月に開花し、実は1年半後の翌年秋に
成熟します。これが、いわゆる「椎の実」です。
・スダジイは、殻斗が実の全体を包んでいるのが特徴です。













季節の山野草Vol.32   2014年 9 月   ナンテンハギとワレモコウです。


1-1.
ナンテンハギは5月末から7月初めに花が咲き、その後花は見られなくなりますが、
9月から咲き始め10月初めに満開になります。ナンテンハギ(南天萩)の名は、
葉の形がナンテンに似て、花の形がハギに似ていることから付けられました。
葉の形から、別名はフタバハギ(双葉萩)です。






1-2.
ナンテンハギは、北海道から九州に分布し、草原や林縁など比較的日当たりの
よい場所に生えるマメ科ソラマメ属の多年草です。



1-3.
ナンテンハギの花は、同じマメ科のクサフジの仲間と似ていますが、
葉が2枚で先が尖り、花の筒部が旗弁の舷部(左右にそり返った部分)と
同じ長さか短いのが特徴です。







2-1.
ワレモコウは、北海道から九州の野原に生えるバラ科ワレモコウ属の多年草です。
ワレモコウ(吾亦紅、吾木香)の名は、吾も亦紅いからや、根の香りが線香の材料に
なる木香と似ているので吾(我が国)の木香からなど、さまざまな説があるそうです。






2-2.
この花穂は4つの層が重なっているように見えますが、上から順に、
(1)紅色の萼片のみになった花、(2)雄しべ・雌しべがあり萼片の内側が
薄ピンク色に見える開花中の花、(3)先端が濃紫色になり開花を待つつぼみ、
(4)緑色の未熟なつぼみです。




2-3.
赤い花びらのように見えるのは暗紅色の萼片なので、花の時期が終わっても
長く花が咲いているように見えます。



 






季節の山野草Vol.31   2014年 8 月   サギソウとツリガネニンジンです。


1-1.
毎年8月、近くの昭和記念公園でサギソウが咲きます。






1-2.
サギソウは、本州・四国・九州の日当たりの良い湿地に生える
ラン科サギソウ属の多年草です。




1-3.
サギソウの花を見ると、自然が作り出した造形美に感動します。
サギソウ(鷺草)の名は、3裂している唇弁が翼を広げた鷺の形に
似ていることに由来します。







2-1.
毎年8月から9月にかけて、ツリガネニンジンの花が咲きます。







2-2.
ツリガネニンジンは、日本全土の山野に自生する
キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。
ツリガネニンジンの花は、数段に分かれて茎に輪生する枝の先に
3輪ほど下向きに咲いています。




2-3.
ツリガネニンジン(釣鐘人参)の名は、花の形が釣鐘に似ていて、
根が朝鮮人参に似ていることから付けられたそうです。



 






季節の山野草Vol.30   2014年 7 月   オミナエシとカワラナデシコです。


1-1.
7月中旬から秋の七草の一つオミナエシが咲きます。秋の七草とは、
オミナエシ、オバナ(ススキ)、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギで、
「おすきなふくは」と覚えるそうです。






1-2.
オミナエシは、日本全土の山野に分布するオミナエシ科オミナエシ属の多年草です。




1-3.
オミナエシ(女郎花)の名は、オトコエシより弱々しいから付けられたという説や、
「オミナ」は美しい女性の意味で「エシ」は古語の「へし(圧)」で美女を圧倒する
美しさから名付けられたというのもありました。







2-1.
カワラナデシコは、毎年6月中旬から7月に姿を見せてくれます。
カワラナデシコは、本州以西に分布するナデシコ科ナデシコ属の多年草です。
別名は、ナデシコ、ヤマトナデシコです。







2-2.
カワラナデシコ(河原撫子)の名は、河原に咲くことと、慎ましやかな雰囲気や
花が小さく可愛らしいことなどから「撫でし子」になったとのこと。
名は河原に咲くからきていますが、実際は河原だけでなく日当たりのよい 草原にも咲きます。
別名のヤマトナデシコ(大和撫子)は、中国原産のセキチク(石竹) を唐撫子(カラナデシコ)という
ことに対するもの。





2-3.
カワラナデシコの花の色は、淡紅色が一般的ですが、白色も多いそうです。
また、淡紅色と白色が混ざっているものもあるそうです。



 









季節の山野草Vol.29   2014年 6 月


1-1.
クワの実が熟してくる季節になりました。クワは、日本全国に分布する
クワ科クワ属の落葉高木で、養蚕用で見るクワの木のイメージとは違って、
高さ15メートルの大木になります。クワ(桑)の名は、蚕が葉を食べるので
「食う葉(くうは)」または「蚕葉(こは)」から転訛したといわれており、
「桑」の字は中国の漢名から。







1-2.
クワは雌雄異株ですので、実がならない雄株の木と実がなる雌株の木があります。
こちらが、5月に雌株に咲いた雌花です。



1-3.
雌花から、白っぽい色の実が赤く変わり、赤黒く変化していきます。
味も甘くなります。ほとんどの実が熟する頃には、クワの木にムクドリが
集まってきます。子どもの頃、クワの実が熟す季節には、クワの実を食べて
唇が紫色になったことを思い出します。







2-1.
ナツツバキ(シャラノキ)は、宮城県以西の山地に自生し、栽培もされる
ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木です。






2-2.
ナツツバキ(夏椿)の名は、文字通り夏(梅雨の時期)に咲く椿から。
シャラノキ(沙羅樹)の名は、沙羅双樹は耐寒性が弱いので、各地の寺院では
代用としてナツツバキが植えられることが多いのでシャラノキ(沙羅樹)と
呼ばれるようになったそうです。





2-3.
花の直径は5~6センチメートルで、花弁には繊細なしわがあります。雄しべは、
ツバキ科らしく多数ありますが、5つに集まってまとまっており、根元で花弁の
基部とも合生しています。


 








季節の山野草Vol.28   2014年 5 月


1-1.
カルガモは、ウォーキングコースで最もポピュラーな野鳥で、ウォーキングの範囲では
1年中10羽ほど見かけますが、冬には40~60羽になります。
・毎年、5月から6月にかけて繁殖しており、何組かの親子を見ることができます。







1-2.
これは、昨年見かけたカルガモの親子です。親鳥とともに、9羽の雛が昼寝中?です。



1-3.
散歩に出かけたカルガモの雛です。カラスに襲われる雛もいるそうなので、
そろって成長することを願っています。







2-1.
5月から咲き始めるコバンソウの花です。この3年間で、ウォーキングコースのあちこちに
生えていることがわかりました。







2-2.
コバンソウは、ヨーロッパ原産で、明治時代に観賞用として輸入されたイネ科コバンソウ属の
帰化植物です。今では、畑、荒れ地、道端などの日当たりのいいところに生える雑草です。





2-3.
コバンソウ(小判草)の名は、小穂を小判に見立てたもの。別名のタワラムギも、小穂を俵に見立てたものです。
1カ月程で実が黄金色になり、文字通りコバンソウ(小判草)になります。


 




季節の山野草Vol.27   2014年 4 月


1-1.
毎年、4月中旬から下旬にかけてチゴユリの花が咲きます。
奥多摩の山々では5月初旬に咲きますので、
平地では2~3週間早く花の季節がくるようです。







1-2.
チゴユリは、日本全国の林の木陰に生えるユリ科チゴユリ属の多年草です。
・茎の先に1~2個の花を咲かせるというのですが、2個咲いているのを
 見かけたことはありません。花は、下向きに咲いています。





1-3.
チゴユリ(稚児百合)の名は、花が小さく可愛らしいことに由来しますが、
名前の通り直径1センチメートル位の小さな花を咲かせています。







2-1.
毎年、4月上旬から下旬にかけてイカリソウの花が咲きます。







2-2.
イカリソウは、東北地方南部以南の森林に自生するメギ科イカリソウ属の落葉多年草です。





2-3.
こちらの白い花は、イカリソウの中でも常緑のトキワイカリソウのようです。
・イカリソウ(碇草、錨草)の名は、4枚の花弁(花びら)から細長い距が出ていて、
 これが和船で使われていた4本鉤(かぎ)の碇に似ていることに由来します。




 







季節の山野草Vol.26   2014年 3 月


1-1.
アマナの花が、3月中旬頃から一斉に咲き始めます。
アマナは、ユリ科アマナ属の多年草です。

・玉川上水では、タチツボスミレとともに、かなり広い面積で群落をつくり自生しています。
 アマナは、スミレやカタクリなどとともに、アリによって種子が拡散し広がるそうです。




1-2.
アマナ(甘菜)の名は、球根(鱗茎)が甘くて食べられることに由来するそうです。

・なお、食べられる山野草には、菜(な)の文字が付くとのこと。






2-1.
ウォーキングの途中、畑に植えられているヤナギの木に花が咲いているのを見つけました。

・ヤナギは、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木で、雌雄異株です。雄花・雌花ともに、
 花穂に絹毛があります。ネコヤナギ(猫柳)の名は、花穂を猫の尻尾に見立てて
 名づけられたそうです。








2-2.
雌花は、白い絹毛の中から白く細長い雌しべが見えるそうです。いっぽう、雄花は、
雄しべに紅色の葯があるということなので、これは雄株の雄花です。

・樹木図鑑によると、ヤナギは観賞用に雄株が栽培されることが多いそうですので、
 この畑のヤナギは雄株だけなのかもしれません。











季節の山野草Vol.25  2014年 2 月


[1]フクジュソウ



1-1. 
先日(14~15日)の大雪の後、16日に庭の雪を掘り返したところ、雪の下で
フクジュソウが咲き始めているのを見つけ、植木鉢に植え替えました。

・フクジュソウは、キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草です。
・午前中は花が開いていますが、午後になると花が閉じてしまいます。





1-2.
花が開いている午前中のフクジュソウです。つぼみがたくさん見えますので、
これからが楽しみです。

・フクジュソウ(福寿草)の名は、新春を祝うおめでたい幸福と長寿を表す「福寿」に
 由来するそうです。「元日草」や「朔日草」という別名もあります。






1-3.
フクジュソウは、昆虫に花粉を運んでもらう虫媒花ですが、花に蜜はありません。
そこで、フクジュソウは、お椀型に咲く花びらを使って太陽の光を花の中心に集めており、
その暖かい空間に昆虫を引き寄せているそうです。

・子どもの頃、生まれ故郷の北海道では、雪の中から顔を出すフクジュソウを探しに、
 近くの山の日当たりの良い斜面にスキーで行ったものでした。









[2] ウメ



2-1.
先日の大雪で、庭のウメの枝が折れていたので、花瓶に挿しておいたところ、
花が咲きました。

・ウメは中国中部原産で、日本国内では実の収穫を目的とした梅の品種が
 100種類前後栽培されています。






2-2.
奈良時代以前は「花」といえば、むしろウメを指すことの方が多かったそうです。
ウメよりサクラがより愛好されはじめるのは、平安時代中頃からのことだそうです。

・梅(うめ)の名は、中国語の「梅(マイあるいはメイ)」から転訛したという説があるようです。






2-3.
江戸研究者の故杉浦日向子氏によれば、江戸のころは三つの花を花見と言ったそうです。
(1)古くからの親友・心を許す学友と見に行き友情を深める「梅見」。
(2)新しい奉公人を迎え年季の終えた奉公人を送り出す出発(門出)の「桜見」。
(3)それぞれの家の手作りのお弁当を手に提げて家族で山里に見に行く「桃見」。

・今から300年ほど前に生活していた人々は、現代に生きる私たちより以上に、
 ウメ・サクラ・モモと、それぞれの季節を味わい楽しんでいたようです。










季節の山野草Vol.24   2014年 1 月


「両」の名が付く植物、一両・十両・百両・千両・万両。
写真は、十両・千両・万両の3種類です。


・「両」が付く植物は、一両・十両・百両・千両・万両が揃っています。
・全てに共通するのは、(1)赤い実(2)低木(3)常緑の3要素です。
・ヤブコウジ科ヤブコウジ属のカラタチバナの中国名が「百両金」で、これとの比較で他の名が
 付けられたと考えられているそうです。







[1] 一両(アリドオシ)  アカネ科アリドオシ属

・アリドオシ(一両)は、江戸時代の正月にセンリョウ・マンリョウ・アリドオシを
 並べて植えて「千両万両有り通し(何時もある)」の語呂合わせで縁起担ぎをした
 ことから名付けられたという説があるそうです。
・アリドオシ(一両)は、まだ見たことがありません。

[2] 十両(ヤブコウジ) ヤブコウジ科ヤブコウジ属


2-1. カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので
   見劣りするから「十両」。





2-2. ヤブコウジは、北海道・本州・四国・九州に分布するヤブコウジ科ヤブコウジ属の
   常緑小低木です。ヤブコウジは、樹高が10~20センチメートル程度です。



[3] 百両(カラタチバナ)  ヤブコウジ科ヤブコウジ属


・カラタチバナの中国名が「百両金」で、この植物の実(5~7個)と他の植物の実を比較して
 他の植物の名が付けられたと考えられているそうです。
・カラタチバナ(百両)は、まだ見たことがありません。

[4] 千両(センリョウ) センリョウ科センリョウ属


4-1. センリョウは実が5~10個で、カラタチバナ(百両)の実5~7個より多いので「千両」。





4-2. センリョウは、南関東地方から九州・沖縄までの比較的暖かい常緑樹林下に
   自生するセンリョウ科センリョウ属の常緑小低木です。センリョウは、
   樹高が50~100センチメートル程度です。





[5] 万両(マンリョウ) ヤブコウジ科ヤブコウジ属


5-1. マンリョウは、葉も実もセンリョウより見栄えがするので「万両」。




5-2. マンリョウは、関東地方以西・四国・九州・沖縄に自生するヤブコウジ科
   ヤブコウジ属の常緑小低木です。
   マンリョウは、樹高が30~100センチメートル程度です。


 


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Vol.23 季節の山野草 12 月


今回は、番外編として、懐かしい昆虫の雪虫、庭先にやってきたメジロを入れてみました。


1-1. リンドウ1
・リンドウは、本州・四国・九州の野山に自生するリンドウ科リンドウ属の
 多年草です。
・昨年は、11月初めがリンドウの見頃でしたので、今年は昨年に比べて
 1カ月ほど遅れているようです。
 11月の花から、12月の花になってしまいました。







1-2. リンドウ2
・リンドウ(竜胆)の名は、リンドウの根を乾燥させた生薬の
 「竜胆(りゅうたん)」が熊の胆のうを乾燥させた「熊胆(のうたん)」より
 にがい苦いので竜の胆と名付けられ、リンドウは「竜胆(りゅうたん)」の
 音読みだそうです。






2-1. クロガネモチ1
・ウォーキングコースの途中に、赤い実がたくさんなっている大木があります。
 クロガネモチの木です。
・クロガネモチは、本州(関東地方)以西に分布するモチノキ科モチノキ属の
 常緑高木です。







2-2. クロガネモチ2
・クロガネモチの実は、カラス、ツグミ、ヒヨドリなどに好んで食べられるようです。
・クロガネモチ(黒鉄黐)の名は、幼枝(新しい枝)や葉柄の黒紫色を黒鉄(くろがね)色に
 見立てたこと、葉が乾くと黒鉄色になることに由来するそうです。モチ(黐)は、
 モチノキと同じように樹皮から鳥黐(とりもち)を採ることから。






3-1. 雪虫1
・ウォーキングコースで、1週間ほど前に雪虫を見かけました。暖かい日でしたが、
 翌日には日本列島上空に寒気団が押し寄せるという日でした。東京でも、
 今頃の季節に毎年見かける懐かしい昆虫です。
・羽や白くふわふわした蝋物質を身にまとっているのがわかります。この白く見える
 蝋物質は、地面にいる時は雪虫の身を土や水分から守り、空を飛ぶ時にはふわふわ
 漂いやすくするためにあるそうです。





3-2. 雪虫2
・北海道で子どもの頃、この雪虫を見ると、もうすぐ初雪が降ると感じたものでした。
 雪虫は、アブラムシ科のトドノネオオワタムシが正式種名です。
 なお、雪虫というのは北国の方言で、東京では「オオワタ」や「シーラッコ」と
 呼ぶそうです。







4-1. メジロ1
・庭先の柿の木にメジロがやってきました。メジロは、冬期の寒冷地を除く全国の低地から
 山地に分布するメジロ科メジロ属の留鳥(または漂鳥)です。





4-2. メジロ2
・メジロ(目白)の名は、目の周りの白い輪に由来します。英名はJapanese White-eyeで、
 「日本」・「目の周りが白い」は、世界的に共通した名前の由来になっているようです。
・多人数が込み合って並ぶことや、物事が集中してあることを「目白押し」と言います。
 これは、メジロが群れをなして樹上に押し合うように並んで止まることを
 「メジロの押し合い」と言っていたことに由来する言葉だそうです。




今年もお世話になりました。よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします。


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Vol.22 季節の山野草 11月

1-1. シュウメイギク 1
・10月から11月にかけて庭などで咲いているシュウメイギクです。
 シュウメイギクは、「キク」の名がついていますが、キンポウゲ科イチリンソウ属
 (アネモネ属、属名はAnemone)の多年草です。
・キンポウゲ科の他の植物と同じように、白い花びらのように見えるのは萼片です。
 花が白く萼片が少ない品種は、交配などによって作られてきたものだそうです。






1-2. シュウメイギク 2
・シュウメイギク(秋明菊)の名は、日本には無かったことから
 「秋に黄泉(あの世、冥土)の国で咲く菊」の意味で「秋冥菊」となり、
 秋明菊に転訛したそうです。
・本来の種は、赤紫の多数の花弁状の萼片があり、
 「秋に咲く菊」という名前の由来が納得できます。






2-1. ニシキギ 1
・枝にコルク質の板状の翼がつくのが特徴のニシキギです。
 紅葉の季節になり、真っ赤な葉の色が鮮やかです。
・ニシキギは、モミジやスズランノキとともに世界三大紅葉樹に数えられ、
 美しい紅葉を錦にたとえてニシキギ(錦木)と名付けられたそうですが、
 そのことが納得できる鮮やかな紅葉です。







2-2. ニシキギ 2
・ニシシギは、日本や中国の低山や山林に自生する
 ニシシギ科ニシキギ属の落葉低木です。
・ニシキギは、秋の紅葉の時期に実が割れて、
 朱色の仮種皮に包まれている種子が現れます。


 







Vol.21 季節の山野草 10月

1-1. アキノノゲシは、日本全土の山野に生えるキク科アキノノゲシ属の1・2年草です。
   一見して同じ属には思えませんが、野菜のレタスはアキノノゲシ属だそうです。









1-2. アキノノゲシ(秋の野芥子)の名は、春に咲くノゲシに似ていて
   秋に咲くことからとありましたが、花はノゲシに似ているようには見えません。







2-1. カラスノゴマは、関東以西の畑や道ばたに自生するシナノキ科カラスノゴマ属の
   1年草です。花は、斜め下向きなので、下から見上げるように撮影しました。








2-2. カラスノゴマは、雄しべが4種類ある花です。外側から、(1)短雄しべ5本、(2)中雄しべ5本、
   (3)長雄しべ5本、そして真ん中の雌しべと同じ長さの(4)仮雄しべ5本です。
   カラスノゴマ(烏の胡麻)の名は、種子が小さく胡麻の実のような実をつけるが
   食べられないことから、「カラス」が付けられたそうです。

 

 




Vol.20 季節の山野草 9月

1-1. クズは、日本全国の山野に生えるマメ科クズ属の多年草です。
   荒地や藪で繁茂し、よく見かける蔓性植物です。





1-2. 花は、華穂の下から上へと順に咲いていきます。クズの根は太く大きくて、
   でんぷんを含んでおり葛粉がとれます。
   クズ(葛)の名は、大和(奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに
   由来するそうです。






2-1. ウォーキングコースのあちこちでノハラアザミを見かけるようになりました。
   ノハラアザミは、本州中部以北に分布するキク科アザミ属の多年草です。






2-2. ノハラアザミは、花が上向きでクモ毛があり、反り返らない短く規則的な総苞片が
   特徴です。 先端が2裂する雌しべが見えるようです。
   ノハラアザミ(野原薊)の名は、山野で普通に見られることから。









Vol.19 季節の山野草 8月

1-1.  ウォーキングコースで咲くカノコユリです。カノコユリはユリ科ユリ属の多年草で、
   花がきれいなので古くから観賞用にも栽培されています。

1-2.  カノコユリ(鹿の子百合)の名は、花びら(花被片)に鹿の子模様があることから
   付けられたそうです。


2-1.  8月になると、ウォーキングコースでコバギボウシが咲きます。コバギボウシは、
   北海道から九州に分布し、日当たりの良い湿地に生えるクサスギカズラ科
   ギボウシ属の多年草です。


2-2.  コバギボウシの花は、淡紫色から濃紫色です。コバギボウシ(小葉擬宝珠)の名は、
   オオバギボウシに比べて全体に小さく葉も小さいことから。
   
ギボウシ(擬宝珠)の名は、蕾が橋の欄干の擬宝珠に似ているので名付けられたそうです。

 






Vol.18 季節の山野草 7月

1-1.  オニユリは、日本全土の野原や田の畔などに生えるユリ科ユリ属の多年草です。
   中国から古い時代に朝鮮半島を経由して渡来したと考えられているそうです。





1-2. 花びらはオレンジ色で、濃褐色・暗紫色の斑点があり、強くそり返っています。




1-3. オニユリ(鬼百合)の名は、形が大きく豪快なので「鬼」の名がついたとか、
   花の様子が赤鬼に似ているので「鬼百合」になったなどの説があるそうです。





2-1. ヤマユリは、北海道、北陸地方を除く近畿地方以北の山地や林縁に咲く
   ユリ科ユリ属の球根植物です。花が大きく重いため、花が下向きに
   垂れ下がっています。




2-2. これは、開花するようになって数年たっているのでしょうか。
   一株に10輪ほど咲いています。株が成長するにつれて、
   一株に咲く花が増えていくようです。



2-3. 花が大きいのが特徴です。ヤマユリ(山百合)の名は、山に咲く百合から。






 



Vol.17 季節の山野草 6月

1-1. 最近あちこちで繁殖し広がっている要注意外来生物アメリカオニアザミです。
  アメリカオニアザミは、ヨーロッパ原産で北アメリカから輸入された穀物や牧草に
  混入して日本に渡来したキク科アザミ属の帰化植物です。





1-2. 1960年代に北海道で確認され、全国に広がっているそうです。葉や茎に鋭いトゲがあるので、
   駆除するのが大変です。アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊)の名は、アメリカ経由で渡来した
   葉や茎・総苞片など全身トゲトゲの鬼のような薊に由来するようです。




1-3. アメリカオニアザミの花だけを見ると、ピンク色が鮮やかで、
   たくさんの花びらからなる花の上部の色と形は、きれいなアザミの花に見えます。







2-1. 芝生の中にネジバナが咲き始めました。背丈は10センチメートル程度、
   花は小さく3~5ミリメートルの大きさです。





2-2. ネジバナは、日本全土に分布し、日当たりの良い芝生や田の畔などに生える
   ラン科ネジバナ属の多年草です。ネジバナ(捩花)の名は、小さな花が花茎の周りに
   ネジのように螺旋状に並んで咲くことから。





2-3. 拡大してみると、ネジバナの花は蘭の形をしています。











Vol.16 季節の山野草 5月

私が毎日歩くウォーキングコース(玉川上水)では、例年5月から
キンラン・ギンランの花が咲き始め、5月下旬まで見ることができます。
この2種類の花が咲くと、玉川上水(1654年完成)の自然が、江戸時代から
350年以上も守られ保護されていることに誇りを感じます。

1-1. キンラン(金蘭)は、本州・四国・九州の山地や丘陵の林下に生えるラン科キンラン属の植物です。



1-2. キンラン(金蘭)の名は、金色(黄色、黄金色)の花を咲かせる蘭から。




2-1.ギンラン(銀蘭)は、キンランと同じように、本州・四国・九州の山地や丘陵の林下に生える
ラン科キンラン属の植物です。




2-2.ギンラン(銀蘭)の名は、金蘭に対して白い花が咲くことから。







野生蘭ブームによる乱獲によってキンラン・ギンランは少なくなり、 国の絶滅危惧種に登録されています。
キンラン・ギンランは、菌根菌(ラン菌)という菌類と共生し、その菌に対する依存度が強く、
菌根性樹木・菌根菌・キンラン(ギンラン)の三者共生系がなければ生育できないため、
自生地からキンラン(ギンラン)のみを採取しても、庭で育てることはできません。





Vol.15 季節の山野草 4月

ウォーキングコースで見かけたウラシマソウとホウチャクソウです

1.ウラシマソウ

・ウラシマソウです。肉穂花序の先端の付属体が、 釣り糸状に長く伸びているのが見えます。
 ウラシマソウは、本州・四国を中心に分布するサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。









・ウラシマソウ(浦島草)の名は、肉穂花序の先端の付属体が細長く釣り糸状に伸び
 30センチメートルにもなり、これが浦島太郎が持っている釣り竿の釣り糸に
 見立てたとされています。







2.ホウチャクソウ

・ホウチャクソウは、日本全土の山林や丘陵に生えるユリ科チゴユリ属の多年草です。


 

 


・ホウチャクソウ(宝鐸草)の名は、花の形が寺院の軒先に下がっている
 宝鐸(四隅に吊り下げられた飾りの大型風鈴)に似ていることから。


 

 




 

Vol.14 季節の山野草 3月

今年は春が駆け足でやってきて通り過ぎようと
しており、どの山野草にしようか考えている
うちに月末になってしまいました。




 

 

 

ヒトリシズカ(一人静)


1.ウォーキングコースで咲いているのを
 見つけたヒトリシズカ。この自生地では、
 昨年より2週間早く満開です。

 

 

 

 

2.昨年4月中旬に見つけた他の自生地でも、
 ヒトリシズカが咲いています。ここでは、
 昨年より3週間早く咲いています。
 この自生地は、昨年よりも広がってきて
 おり、花の数も株数も多くなっています。

 

 

 

3.ヒトリシズカは、北海道から九州の山地
 に自生するセンリョウ科チャラン属の
 多年草です。
 ヒトリシズカ(一人静)の名は、江戸時代
 中期の記録では「吉野静(ヨシノシズ)」と
 言われており、江戸時代後期に花穂を
 2~3本以上出すフタリシズカ(二人静)との
 対比で名付けられ、広く使われるように
 なったそうです。
 ところで、気になるのは4枚の葉に囲まれ
 たブラシ状の花の形です。

 

 

 

4.白いブラシ状に見えるのは、ヒトリシズカ
 の雄しべです。雄しべは、基部で3本に
 分かれて長さ約3ミリほどの棒状になって
 います。3本の花糸のうち外側2本の花糸
 の基部下側に、花粉が入っている黄色い
 葯がついています。雌しべは、雄しべ
 基部の上にあり、白く丸いのが雌しべの
 柱頭です。

 

 

 

 

   

 

Vol.13 季節の山野草 2月

今年は、ニホンズイセンとフクジュソウが昨年より
2週間程度早く咲き始めました。

 

 

 

 

1.ニホンズイセン


・いつものウォーキングコースで
 ニホンズイセンが咲き始めました。
 ニホンズイセンは、ヒガンバナ科
 スイセン属の球根植物です。

 

 

 

 

 

 

・ニホンズイセンは、地中海沿岸地方
 原産の種が、中国を経由して渡来した
 といわれており、日本の気候に合って
 いて野生化しているそうです。

 「スイセン」という名は中国名の
 「水仙」を音読みしたもので、
 「水仙」は水辺で咲くスイセンの姿を
 仙人に例えたと言われています。

 

 

 

 

2.フクジュソウ


・庭で、フクジュソウが咲き始めました。
 フクジュソウは、キンポウゲ科
 フクジュソウ属の多年草です。

 

 

 

 

・フクジュソウの根は深さ20センチメートル
 程度あり、正月用の浅い鉢で根を短く
 切り詰めたものは、地植えしないと
 枯れてしまうことが多いようです。

 

 

・フクジュソウ(福寿草)の名は、新春を祝う
 おめでたい幸福と長寿を表す「福寿」に
 由来するそうです。
 元日草や朔日草という別名もあります。

   
   
   

 

Vol.12 季節の山野草 1月

 

 

 

 

 

1.シナマンサク




・12月末に見つけたマンサクのつぼみです。
 伸び始めた花びらも見えます。

 

 

 

 

 

 


・1月中旬、マンサクの長い花びらが
 伸びてきました。
 昨年の枯葉が残っており、花が咲く
 時期が早いので、中国原産の
 シナマンサク(支那満作)のようです。





・マンサク(満作、万作)の名は、
 黄色い花を枝いっぱいにつけるので
 「豊年満作」から来た説、
 早春の花の少ない時期に他の花に
 先駆けまず咲くことから「まず咲く」
 「まんずさく」が訛ったという説も
 あるそうです。

 

 

 

 

 


2.ソシンロウバイ


・1月初め、ロウバイの花が咲き
 始めました。ロウバイ(蝋梅)の
 名の通り、蝋細工のような光沢と
 透明感がある黄色い花が、青空に
 映えます。

 ロウバイ(蝋梅)の名は、中国名で、
 蝋のような花を臘月(旧暦12月)に
 咲かせることから。

 

 

 

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・中央部を含め花全体が黄色で、
 花の色が透き通るような黄色1色なので、
 栽培種の中のソシンロウバイでしょう。

 ソシンロウバイ(素心蝋梅)の名は、
 漢名の素心蝋梅を音読みしたもので、
 ソシン(素心)の名は、中国では花弁(萼)や
 花芯まで同じ花を素心と呼ぶことに由来
 しているそうです。

 

 

 
   


 

Vol.11 季節の山野草 12月 

 

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

 

1.サザンカ


・11月から12月にかけては、 花が
 少ない中でサザンカの花の季節です。

・サザンカは、本州(山口県)以南に
 分布するツバキ科ツバキ属の常緑
 広葉樹です。

・サザンカ(山茶花)の名は、中国語で
 ツバキ類を指す「山茶」に由来し、
 山茶花の本来の読み方である
 「サンサカ」が訛ってサザンカに
 なったと言われているそうです。

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

 

 

 

 

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

 

 

 

2.チャノキ


・10月から12月にかけて、
 チャノキが花を咲かせます。

・チャノキは、ツバキ科ツバキ属
 の常緑低木です。茶畑の花は
 目立ちませんが、野生化して
 成長しているものは、サザンカや
 ツバキのように、花が目立ちます。


・チャノキの「茶」の文字は、
 植物・草をあらわす
 「草冠(くさかんむり)」と、
 苦いことを意味する「余」から
 できているそうです。

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3.ツルウメモドキ


・12月に入ると、ツルウメモドキの
 実が割れて赤い種子が目立つよう
 になります。

・ツルウメモドキは、山野に自生する
 ニシキギ科ツルウメモドキ属の
 落葉蔓性植物です。

・ツルウメモドキ(蔓梅擬)の名は、
 蔓性で葉の形がウメやウメモドキに
 似ていることから。

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  Vol.10 季節の山野草 11月 

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

 

1.ツワブキ

・ツワブキは、キク科ツワブキ属の
多年草です。
本州(福島県以西)・四国・九州に
自生していますが、江戸時代から
園芸種として栽培されてきました。

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

 

・ツワブキ(石蕗)の名は、葉が丸く蕗の
ようで光沢があり艶があるので、
「つやブキ」が転化してツワブキになった
などの説があるそうです

 

 

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

 

 

 

 

ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 


2.リンドウ

・リンドウは、リンドウ科リンドウ属
の多年草です。本州・四国・九州に
自生する秋を代表する山野草です。


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・リンドウ(竜胆)の名は、
リンドウの 根を乾燥させた生薬の
「竜胆(りゅうたん)」が
熊の胆のうを乾燥させた
「熊胆(のうたん)」より苦いので
竜の胆と名付けられ、リンドウは
「竜胆(りゅうたん)」の音読みだそうです。

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  Vol.9 季節の山野草 10月 



ⓒ 45期 岡田光弘さん






1.ヒガンバナ

・ヒガンバナは、稲作とともに中国から伝来したヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生球根植物です。

・染色体が3倍体なので、正常な減数分裂ができないため種ができません。球根(鱗茎)で増えます。



ⓒ 45期 岡田光弘さん




 


ⓒ 45期 岡田光弘さん







・シロバナヒガンバナは、中国の染色体が2倍体のヒガンバナとショウキズイセンの雑種です。



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2.ホトトギス

・ホトトギスは、ユリ科ホトトギス属の多年草です。

・ホトトギス(杜鵑草)の名は、花被片の斑点模様が野鳥のホトトギス(杜鵑、不如帰)の胸の模様に似ていることから。



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Vol.8 季節の山野草 9月 秋の七草

・秋の七草とは、
 オミナエシ、オバナ(ススキ)、
 キキョウ、ナデシコ、
 フジバカマ、クズ、ハギで、
「おすきなふくは」と覚えるそうです。

・ただし、秋の七草は春の七草の
 ように摘んだり食べたりするもの
 ではなく、野の花が咲き乱れる
 花野を散策し、短歌や俳句を詠ん
 だり眺めて楽しむものだそうです。






季節の山野草 9月 「オミナエシ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 


1. オミナエシ

・オミナエシは、日本全土の山野に分布する
 オミナエシ科オミナエシ属の多年草です。



季節の山野草 9月 「ススキ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 



2. ススキ

・ススキは、日本全国の山野に自生する
 イネ科ススキ属の多年草です。



季節の山野草 9月 「キキョウ」
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3. キキョウ

・キキョウは、日本全土の日当たりの良い
 山地や野原に生えるキキョウ科キキョウ属
 の多年草です。



季節の山野草 9月 「ナデシコ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん


 



4. ナデシコ

・ナデシコは、本州以西に分布する
 ナデシコ科ナデシコ属の多年草です。



季節の山野草 9月 「フジバカマ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん




 


5. フジバカマ

・フジバカマは、本州・四国・九州の湿った
 場所に生えるキク科ヒヨドリバナ属の
 多年草です。



季節の山野草 9月 「クズ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 




6. クズ

・クズは、日本全国の山野に生えるマメ科
 クズ属の多年草です。荒地や藪で繁茂し、
 よく見かける蔓性植物です。



季節の山野草 9月 「ハギ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん




 


7. ハギ

・ヤマハギは、北海道から九州の山野に生える
 マメ科ハギ属の落葉小低木です。

   













季節の山野草 8月 「オニユリ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん




Vol.7 季節の山野草 8月

8月の山野草は、ユリ科の2種類と、
ヒガンバナ科の2種類です。
オニユリが咲き、ヤマユリは
北上しながら咲き続けており、
キツネノカミソリとナツズイセンも
咲き始めました。





1.オニユリ

・オニユリは、日本全土の野原や
 田の畔などに生えるユリ科ユリ属の
 多年草です。中国から古い時代に
 朝鮮半島を経由して渡来したと
 考えられているそうです。




季節の山野草 8月 「オニユリ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん







・オニユリ(鬼百合)の名は、形が
 大きく豪快なので「鬼」の名が
 ついたとか、花の様子が赤鬼に
 似ているので「鬼百合」になった
 などの説があるそうです。



季節の山野草 8月 「ヤマユリ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん



 

2.ヤマユリ

・7月の山野草で紹介しましたが、8月も
 北上しながら咲き続けています。

・年々1本の茎に咲く花の数が増えていき
 
ます。花が大きく重いため、茎が下向き
 になっています。



季節の山野草 8月 「ヤマユリ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん







・なお、「百合」の名の由来は、日本釈名
 (にほんしゃくみょう、1700年)に
 「茎細く花が大きく、風にゆり動くので、
 ユリと呼ぶ」という記述があるそうです
 ので、やはり風に揺れるさまからきて
 いるようです。



季節の山野草 8月 「キツネノカミソリ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん






3.キツネノカミソリ

・キツネノカミソリは、本州・四国・
 九州の山野に生えるヒガンバナ科
 ヒガンバナ属の多年草です。

・キツネノカミソリ(狐の剃刀)の名は、
 花の色が狐色で葉の形が剃刀に似て
 いるので付けられたそうです。



季節の山野草 8月 「ナツズイセン」
ⓒ 45期 岡田光弘さん


4.ナツズイセン

・ナツズイセンは、本州・四国・
 九州の山野に生えるヒガンバナ科
 ヒガンバナ属の多年草です。
 古くに中国から渡来したといわれ
 ているそうです。

・ナツズイセン(夏水仙)の名は、
 葉や球根(鱗茎)が水仙に似ていて
 夏に咲く花から。
   




季節の山野草 7月 「オオバギボウシ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 

Vol.6 季節の山野草7月

1. オオバギボウシ

・オオバギボウシは、本州以西の
山地に自生するユリ科キボウシ属の
多年草です。

・オオバギボウシ(大葉擬宝珠)の名は、
キボウシ属の中では葉が大きく、蕾が
橋の欄干の擬宝珠に似ているのことから。

季節の山野草 7月 「ヤマユリ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

 


2. ヤマユリ

・ヤマユリは、北海道、北陸地方を除く
近畿地方以北の山地や林縁に咲く
ユリ科ユリ属の球根植物です。

・花が大きいのが特徴です。
ヤマユリ(山百合)の名は、山に咲く
百合から。百合は、「揺り(ゆり)」に
由来するという説があるそうですが、
花の揺れるさまからきているのでしょうか。



季節の山野草 6月 「ホタルブクロ・白花
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 

Vol.5 季節の山野草6月


1. ホタルブクロ・白花

・ホタルブクロは、日本全土の 山地に
生えるキキョウ科ホタルブクロ属の
多年草です。


・花色には赤紫のものと白とがあり、
関東では赤紫が、関西では白が多い
そうです。



季節の山野草 6月 「ホタルブクロ・赤紫花
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 


2. ホタルブクロ・赤紫花



季節の山野草 6月 「八重咲きドクダミ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん

 


3. 八重咲きドクダミ

・珍しい八重咲きのドクダミです。
白いのは花びらではなく、総苞片
(花全体を包むもの。例えばタンポポ
の花の外側を包んでいるもの。)です。
総苞片の上に黄色く小さく見える
一つひとつが、花です。

 




季節の山野草 5月 「エゾエンゴサク」
ⓒ 45期 岡田光弘さん



Vol.4 5月の花-北海道編


1.旭川嵐山公園内・北邦野草園の
 エゾエンゴサクの大群落。


季節の山野草 5月 「水芭蕉」
ⓒ 45期 岡田光弘さん





2.網走湖湖畔の水芭蕉の大群落。


季節の山野草 5月 「ザゼンソウ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん





3.旭川市男山自然公園内のザゼンソウ。



季節の山野草 4月 「かたくり」
ⓒ 45期 岡田光弘さん


Vol.3 季節の山野草 4月

4月の山野草は、カタクリとヒトリシズカです。
近くの雑木林のカタクリが、4月4日に満開に
なりました。
また、4月初めから、ヒトリシズカが咲き始め
ました。
私のお気に入りの山野草は、カタクリ、
ヒトリシズカ、チゴユリです。 



季節の山野草 4月 「かたくり」
ⓒ 45期 岡田光弘さん


 



季節の山野草 4月 「ヒトリシズカ」
ⓒ 45期 岡田光弘さん







季節の山野草 3月 「かたくり」
ⓒ 45期 岡田光弘さん



Vol.2 季節の山野草 3月




近くの雑木林の斜面で、カタクリの群落が
花を開き始めました。小学生実習用水田の脇では、
ミズバショウが咲いています。
今朝(3月31日)、撮影したものです。

なお、季節の山野草は、私のブログで
紹介していますので、ご覧ください。

http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952


季節の山野草 3月 「水芭蕉」
ⓒ 45期 岡田光弘さん




 



季節の山野草 2月 「福寿草」
ⓒ 45期 岡田光弘さん 


 

Vol.1 季節の山野草 2月

庭のフクジュソウが4本芽を出し、
今日1輪開花しました。
「キンポウゲ科フクジュソウ属
フクジュソウ」です。
北海道や東日本の山地に自生しています。

「福寿草」の名は、新年を祝うめでたい
名前で、別名「ガンジツソウ」ともいい
ます。
江戸時代から栽培され、江戸時代後期の
「本草要正」(1862年)には126品種が
記録されています。

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